指
五本指
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 00:30 UTC 版)
「魔人探偵脳噛ネウロの犯罪者」の記事における「五本指」の解説
血族の中でも破壊の権化と称され、テロに長けたスペシャリスト達で構成された集団。五指に対応する五人がいる。5人それぞれ定向進化で獲得した超能力を有しており、それを利用した大規模なテロ行為を行う。また、顔にその人物の力を象徴するかのような生物の紋様が浮かび上がることが特徴でもある(単行本のプロフィールにおいては、この紋様にも名前が付けられている)。 ジェニュイン(JENEUING) 親指・指揮官。五人の中でも古株であり、過去編でシックスの傍らにいることが多い。 イブニングドレスを着たグラマラスな美女。かなりのサディストであり多くの奴隷達を従えている女王様だが、シックスに対しては忠実な下僕そのもので、彼の傍に置かれて最期は彼の身勝手な要求で命をひねり潰されることを望んでいる。 祖先は群集を自身の一挙一動で意のままに操り幾多の戦乱を引き起こした「魔女」と呼ばれる一族であり(背景にジャンヌ・ダルクが描かれている)、末裔である彼女も場の空気を支配する能力に長けた煽動の天才。対集団戦にて真価を発揮し、基地に突入してきた日本の武装警官隊をたやすく自壊させた。葛西いわく「ただ手を振るだけで都市一つ滅ぼせる女」。部下には下級の「奴隷」達と上級の「ファン」達がいる。血族入りする前は、圧倒的な演技力で世界中を熱狂させた大女優だった。 数々の失態によりシックスに突き放されてしまい、グリーンX基地でネウロを迎え討ち調教しようとするが、攻めを得意とするネウロに対し、守勢に回ったことが敗因となり、逆に自害を含むすべての権利を没収されて詰み、ネウロのマゾ下僕となる。情報を吐くも、シックスの支配力と彼への忠誠心で持ち直し、ネウロのサディストぶりを賞賛しながら奴隷のアランとともに自爆した。この勝負でネウロはわかりきった情報しか入手できず、彼女を「血族の中で我が輩に最も鮮やかに勝った」と言わしめた。 本名は「Jenifer=Euing(ジェニファー・ユーイング)」。血族としての名は英語で「本物」を意味する「Genuine」と人間としての名前を掛けたものであり、本物の世界で唯一の観客(シックス)を満足させるという意味もある。6月18日生まれ、51歳。身長177cm、体重60kg。驚異的な若さの秘訣は「無駄にエロい事」。ナンバーワンサディストをシックス、次を己とする。顔の紋様は魔女の「Trial fog」で、顔の右側に浮かび上がる。 葛西 善二郎(かさい ぜんじろう) 人差し指。全国指名手配中の放火魔で脱獄含め前科1000犯を超える伝説の犯罪者。穂村徹行の叔父であり、彼に火の魅力を教えた。当初は怪盗Xの協力者として登場していたが、実はシックスからXへのスパイだった。 シックスからは友人と呼ばれる。ジェニュインに並ぶ古参の指であり、彼女らの全面サポートを任される。ぶっ飛んだ指達の中ではまともな性格で、物事に対して一歩引いた目線からツッコミをすることが多く、感性自体はごく普通の中年男性に近い。シックスや血族に関しても見方はドライ。 かつては派手に生きて派手に死ぬことを人生の目標とし、犯罪者としての死に場所を求めていたが、シックスを前に初めて死を恐怖した。そして「最高最後の犯罪者であるシックスよりも長く生きる」ことを新たな目標とする。長生きするために、隙あらば寝首を掻いて殺そうともするが、軽くあしらわれ、逆に命を握られている。 ピンで「火」の字が描かれた帽子を常に被っており、額の左上から頭部にかけてシックスに出会った時に付けられた漢字の「火」を模した火傷の跡がある。「火火火(ヒヒヒ)…」と笑い、「火ッ(カッ)となった」「火(日)を改めるか」「炭(隅)に置けねェなあ」など、言葉の端々に「火」や火に関する言葉にかけたギャグを使う。ヘビースモーカー。 「人間の限界を超えないこと」をポリシーとしており、強化細胞を移植しておらず、血族としての新しい名前も名乗っていない。炎を自在に操るが、血族としての特殊能力ではなく、隠した燃料を操っているだけのトリック。先祖は神話時代の神(火を用いた人)だというが、葛西自身血族など信じておらず、真偽は怪しい。 DRのサポートを機に日本に帰国しており、他の指を支援する。四本の指が全滅し、シックスが来日したことで、自ら動く。ネウロの先手を取って逃げ回りつつ、東京中のビルを順に炎上・倒壊させる作戦(倒壊ビルで漢数字の六を描く)を執る。だが笛吹率いる警官隊に炎を攻略されて追い詰められ、苦肉の策でバックドラフトを起こし、ビルの倒壊に巻き込まれて炎と瓦礫の中に消える。 最終話で火傷と後遺症を負いながらも生き延びていたことが判明。ネウロの再帰を待ち望む姿が描かれている。作中ではネウロと対面していない。血族の通名授与を固辞し、人間としての名を捨てず、人間であることにこだわり続けた葛西だけがただ一人、生き残り「シックスよりも長生きする」というささやかな願いを叶えた。 9月1日(防災の日)生まれ。41歳。身長179cm、体重88kg。バブルの輪に入れなかった事を後悔している。顔の紋様は、シックスにつけられた額の火傷=漢字の「火」。 ヴァイジャヤ(VIJAYA) 中指。インド日系混血の18歳の青年。能力は卓越しているが、年齢ゆえの未熟がある。組織のバイオテクノロジーの中枢を担う重要人材。 父の仕事の関係で日本に移住したが、周囲に馴染めなかったためいじめの標的にされた過去を持つ。家庭は裕福だが、異能者たる自分や母を道具のように見ており、母を過労死させた父を憎んでいた。そのため、強さに対して強い執着を抱いている。 吾代忍を名で呼ぶほぼ唯一の人物。お互いに「チー坊」「忍クン」と呼び合う、年の離れた友人。5年前に出会い、彼に憧れる様にして半年間追従していた。シックスと出会い、復讐のために実父を殺害した後、日本を離れた。かつてのチー坊は、シックスの力に魅せられ豹変した。 祖先は、5000年前の古代インドにおいて薬学の祖とされる「呪術師」と呼ばれた者達であり、そのDNAを受け継いだ彼は植物と薬物の扱いに長けている。タネを見抜けなければ呪術そのものにしか見えないが、そのからくりは、種状のカプセルとして手首のブレスレットに仕込んだ劇薬を飛び道具として用いるというもの。薬品によって、投げた小枝を飛翔中に大樹に急成長させぶつけるという大技も使用する。胃には植物を寄生させており、強化細胞をさらにドーピングする。 本城博士を暗殺するために来日する。再会した吾代の眼前で「昔の自分とは違う」と周囲の人間を殺してみせる。その後、ホテルに滞在する本城博士と彼に会いに来た弥子・笹塚・吾代の3人を葛西と共に襲撃するが逃げられる。続いて本城博士の機密文書を探しに湿地帯に来た弥子達を単独で襲撃。吾代に重傷を負わせるなど圧倒する。しかし、ネウロの知恵と笹塚の支援を受けた吾代の反撃をくらい、薬物を逆に打ち込まれて深手を負う。そして吾代になお友人と言われ、かつての人の心を取り戻すものの、血族として機密保持のため自害した。 本名は「Chandra=Aska=Rjunawala(チャンドラ・アスカ・ルジュナワラ)」。血族としての名前はサンスクリット語で「勝利」を意味する「ヴィジャヤ(Vijaya)」から取られている。9月3日生まれ、18歳。身長167cm、体重53kg。顔の紋様は彼岸花の「ARkadia ALkadia」で、顔の右下に浮かび上がる。 テラ(TIERRA) 薬指。DRに次ぐ2番目の刺客で、抜群のルックスを持つ白人男性。 顔を傷つけられることを嫌い、傷つけられると豹変して激昂する。女性からはかなりの人気だが、よく物を奪われる体質であるらしくデートなどの際には所持品を車から服に至るまですべて盗られるなど、コミカルな一面を見せている。上記の面等を指して葛西からは「めんどくさいバカ」呼ばわりされているが、それ故に一度決めたことを一片の迷いなく遂行できる。過剰なバカはキャラ作りであり、優れた頭脳でさらに恥を捨てることができるという強さである。 祖先は南米文明を蹂躙し、「埋めた」征服者(コンキスタドール)と呼ばれたヨーロッパ人達。末裔である彼もまた、土地に対する超人的な洞察力を持つ。かつてはその能力で不動産ビジネスを営み大成していたが、シックスに出会ってからは、大地の価値を見抜けない醜い人間達を征服し、「すべて埋めてしまいたい」という一念で、過去を捨てて血族入りした。人間を傷つけることを躊躇っている様子も見せたが、決して良心の呵責などではなく、「人間の醜い顔が見たくない」という理由からである。 全身に怪盗Xの強化細胞を移植しており、体内に銃器や刃物など、あらゆる武器を埋め込んでいる。地に潜り自由自在に移動する戦法も得意とする。本気を出すと全身の細胞の構造を変化させ、筋骨隆々の大男となる。ただし、大事な顔だけには副作用を恐れている故に強化細胞を移植していない。 最初に笛吹暗殺を狙うが、警官隊に阻まれ、だが対テロリスト用の麻酔ゴム弾を多数撃ち込まれても倒れず撤退する。本命のテロ作戦に取り掛かり、倒壊させた高層ビルを建設中の低層ビルに杭に見立てて打ち込み、大規模な地盤沈下を起こそうとする。ネウロに挑戦状を送っておびきよせ、人質を盾に追い詰めるが、伏兵笹塚の援護と、X同様の強化細胞の弱点を突かれて敗れた。証拠を残さないため自爆を図るも、ネウロの魔界777ツ能力『透け透けの鎧(イビルサーフェイサー)』で顔のみ保護され、断末魔に歪む自らの顔をわざわざ見せられながら息絶え、完敗。生首は血族を探る証拠として警察に回収される。笹塚が来なければネウロが勝てなかった強敵であった。 本名は「Pedro=Cortezarro=Torres(ペドロ・コルテサロ・トレス)」。血族としての名前の由来はラテン語で「大地」を意味する「テラ(Terra)」。また、つづりはスペイン語で「地球」などを意味する「Tierra(ティエラ)」からである。8月24日生まれ、25歳。身長186cm、体重70kg。この世で最も美しい存在をシックス、次を己とする。顔の紋様は蛇の「Quezalcoatl Conquistadores」で、顔の左上に浮かび上がる。 DR(ディーアール) 小指。執事風の服を着た黒人男性で、シックスの運転手。 表面上は穏やかだが、本性は凶暴で、人間を「ダニ」と蔑んでいる。他者から見た目で判断されると豹変して激怒する。 生まれたときからあらゆる才能に優れていたこと、自分だけが持ち得た水を操る能力、そしてどれだけ人間を殺しても全く罪悪感が沸かなかったことを不思議に思っていたところにシックスが現れ、自分の能力の秘密を知らされる。シックスに忠誠を誓い、10万人の命を差し出すことを彼に約束、ナンバーツーの座を狙っていた。だが五本指の中では末席にすぎず、ジェニュインとシックスには消費前提で考えられていた。 治水を専門とする「新しい血族」の一派の末裔で、祖先は代々世界各地の大河で治水を成し遂げることで支配者を操って傀儡政治を行っていた(古代中華王朝を陰で支配していたように描かれている。共工のこと)。水の扱いに特化し、全ての水の流れが一目で分かるという。自らを「水の龍」と称し、その能力を「外見に隠された真実を見ることが出来る」と評している。両手には怪盗Xの強化細胞を移植しており、鉤爪や水掻き状に変形させることができる。 ネウロとシックスが対面したときにも、運転手として立ち会っていた。テロ作戦のために再び来日し、東京各地の河川の堤防を崩壊させ、東京の街を濁流に呑み込ませるという人類史上最大のテロを起こす。しかし、大量の人間を殺したことでネウロの怒りを買い、魔界777ツ能力『激痛の翼(イビルトーチャラー)』で地獄のような拷問を加えられた末に、激流に流された。葛西に助けられてリベンジを誓うが、一度負けた(「脳に“折れ目”が付いた」)時点で血族落第とシックスに見限られ、口封じも兼ねて葛西に始末される。DR「程度」の犠牲でネウロを弱らせたことは、血族戦争の初戦として大成功だという。 本名は「Daniel=Rousseau(ダニエル・ルソー)」。血族としての名前の由来は「DRagon」と本名のイニシャルから。3月2日生まれ、27歳。身長187cm、体重94kg。この世で最も尊い存在をシックス、次を己とする。顔の紋様はドラゴン(西洋龍)の「Flood of Book」で顔面右上に浮かび上がる。
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