近江国 近江国の概要

近江国

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/09 10:40 UTC 版)

近江国

-近江国
-東山道
別称 江州(ごうしゅう)
所属 東山道
相当領域 滋賀県
諸元
国力 大国
距離 近国
12郡93郷
国内主要施設
近江国府 滋賀県大津市近江国庁跡
近江国分寺 1.(推定)滋賀県甲賀市紫香楽宮跡
2.(推定)滋賀県大津市野郷原
3.(推定)滋賀県大津市光が丘町
近江国分尼寺 (未詳)
一宮 建部大社(滋賀県大津市)
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「近江」の名称と由来

近江は、『古事記』では「近淡海(ちかつあはうみ)」「淡海(あはうみ)」と記されている。7世紀、飛鳥京から藤原宮期の遺跡から見つかった木簡の中には、「淡海」と読めそうな字のほか、「近淡」や「近水海」という語が見えるものがある。「近淡」はこの後にも字が続いて近淡海となると推測される[1]。国名は、琵琶湖を「近淡海」と称したことに由来するとする説が広く知られているが、琵琶湖を「近淡海」と記した例はなく、『万葉集』をみても、琵琶湖は、「淡海」「淡海之海」「淡海乃海」「近江之海」「近江海」「相海之海」と記されている。「淡海」の所在する国で、畿内から近い国という意味であり、「近つ『淡海国』」であり、「『近つ淡海』国」ではない[2]。おおよそ大宝令の制定(701年)・施行を境にして、近江国の表記が登場し、定着する。和銅6年(713)4月丁巳(25日)の、諸国郡郷名には好字二字をつけよ、との法令による。

沿革

近世以降の沿革

国内の施設

近江国は畿内に隣接し、これまでに3度天皇の住居(宮)が構えられている。

古事記,日本書紀には志賀高穴穂宮の存在が記述されており、景行天皇,成務天皇,仲哀天皇が都したとされている。

国府

栗太郡勢多に所在。1964年昭和39年)に現在の大津市三大寺で遺跡が発見された。国府の遺跡が発見された最初の例である。

国分寺・国分尼寺

国分僧寺は、はじめ甲可寺(現 甲賀市信楽町、紫香楽宮跡とされてきた)に設置された。その後、瀬田廃寺(大津市神領)にうつり、焼失の後、820年弘仁11年)に国昌寺跡(大津市国分)に移された。ここでは最澄が若き日に修学しているとされる。国分尼寺跡としても、石山国分遺跡(大津市国分)が有力視されている。

神社

延喜式内社
延喜式神名帳』には、大社13座10社・小社142座132社の計155座142社が記されている(近江国の式内社一覧を参照)。大社10社は以下に示すもので、全て名神大社である。
総社一宮以下

注釈

  1. ^ 狭山藩は明治2年12月26日(1870年1月27日)に廃藩。
  2. ^ 丸亀藩は明治4年4月10日(1871年5月28日)に廃藩。
  3. ^ 大溝藩は明治4年6月3日(1871年4月16日)に廃藩。
  4. ^ 『籐氏家伝』の「武智麻呂伝」にある。続日本紀には霊亀2年(716年)5月に在職であったことが分かる。
  5. ^ 六角氏頼が出家してしまい、嫡男の義信はまだ幼少だったため、氏頼の弟の定詮(後の山内信詮)が後見として守護に任じられたが、観応の擾乱足利尊氏と敵対する足利直義方に離反したため、もう一人の弟である直綱に守護に交替させられた(下坂守「近江守護六角氏の研究」(初出:『古文書研究』12号(1978年)/所収:新谷和之 編著『シリーズ・中世西国武士の研究 第三巻 近江六角氏』(戒光祥出版、2015年)ISBN 978-4-86403-144-8))。
  6. ^ 佐々木氏宗家の氏頼嫡男の義信が先立ったため、佐々木氏傍家の京極氏から養嗣子として高経を迎えた。当初は六角氏の家督と近江守護を継ぐが、氏頼嗣子の満高が立ったため、内紛で実家の京極氏に戻された後に「京極高詮」として京極氏の家督と(近江ではなく)飛騨守護を継いだ。

出典

  1. ^ 舘野和己「『古事記』と木簡に見える国名表記の対比」、『古代学』4号、2012年、17頁・19-20頁。
  2. ^ 櫻井信也「「大津宮」の宮号とアフミの表記」、『近江地方史研究』第32号、1996年。
  3. ^ a b 「旧高旧領取調帳」の記載は大津県。本項では「角川日本地名大辞典」の記述による。
  4. ^ 近江の人 木沢まさと: ブランド構築に向けて、木沢成人、2009年12月11日更新、2011年3月8日閲覧。


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