朝鮮日報
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朝鮮日報 | |
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![]() 朝鮮日報のロゴ | |
各種表記 | |
ハングル: | 조선일보 |
漢字: | 朝鮮日報 |
発音: | チョソンイルボ(チョソニルボ) |
日本語読み: | ちょうせんにっぽう |
英語表記 MR式: |
The Chosunilbo Chosŏn llbo |
在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総聯)の機関紙「朝鮮新報」とは無関係。
概説
発行部数も約116万部と韓国最大であり[3]、調査を始めた1989年以降2009年現在まで韓国で一番の購読率である[4]。
編集性向は保守的であるとされ、韓国の新聞の中でも強硬派に属する。金泳三政権までは政府に好意的な記事が多かったが、金大中政権・盧武鉉政権時代は政府に批判的な言論が増えた。その後の保守派の李明博政権・朴槿恵政権には好意的であり、文在寅政権に対しては極めて攻撃的・敵対的な姿勢をとっている。そのため、保守・右派層、既得権層、財閥、民族主義派からは支持を得ているが、左派、労働組合、親北朝鮮派からは親独裁・親軍部・親財閥・親日派との批判を受けてきた。
尚、漢字復活を主張している新聞でもある。以前は社説でのみ韓国の慣習に反して漢字を直接使いハングルでルビを振っていたが、これは2008年1月に他の記事と同様にハングルの後ろに括弧の中に漢字を入れる表記法に変更された。また、「月刊朝鮮」は1998年に漢字復活キャンペーンを展開し、「少年朝鮮」でも漢字教室を掲載している。
2001年1月に韓国の新聞では初めて日本語サイトを開設し、2004年6月時点での月間訪問者数は約90万人に達した[5]。2008年11月24日より日本語版のみweb版の公開期限が無期限から1週間となり[6]、過去の記事の閲覧には有料会員登録が必要となった。朝鮮語、英語、中国語版は現在も無料で閲覧できる。
沿革
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3.1独立運動以降の朝鮮総督府が打ち出した「文治政策」に呼応して、朝鮮人の大物実業家だった趙鎭泰の主導で朝鮮人経済団体の「大正実業親睦会」が中心となり、1920年3月5日に創刊した。だが直ぐに資金面で行き詰まり宋秉畯が経営権を取得、「皇城新聞」の元編集者でジャーナリストとして長く活動してきた南宮檍を社長として招き入れ編集を任せた。
ほぼ同時期に創刊された東亜日報が朝鮮人への啓蒙や実力養成に力を入れたのに対し、朝鮮日報は日本や朝鮮総督府の政策に真正面から批判する報道が目立った。創刊一ヶ月後には李王家の世子・李垠と方子女王との結婚に異を唱える記事を掲載して紙面没収の憂き目に遭い、その後も4度の停刊処分を始め当局からの圧力や弾圧をしばしば受けた。その一方でこうした論調から左右を問わず独立運動家が集まり、安昌浩や李商在が社長を務め、洪命熹・朴憲永・金丹冶など左翼人士が執筆をおこなった。またハングル普及のため、教材の無料配布も行っている。
方應謨社長の時代に総督府の教育政策を批判した紙面が没収処分を受けた後、論調が当局に協力的になり、李奉昌の爆弾テロを非難したり、皇紀2600年にあたっては昭和天皇・香淳皇后の写真を1面に掲げ南次郎総督の談話を掲載した。1940年8月には総督府の言論統制の一環で廃刊となる。
日本の統治が終わって1945年11月23日に復刊。方應謨社長が金九支持を打ち出したこともあり、韓国独立党系の新聞として論陣を張る。その後、1968年に「週刊朝鮮」を1980年に「月刊朝鮮」を夫々創刊。2005年3月5日には街版を廃止している。
論調
大韓民国の代表的な保守言論である。韓国の3大保守マスコミで、朝鮮日報、中央日報、東亜日報(これらは朝中東と略され、高いシェアを占める)がいるが、このうち朝鮮日報は、非常に強硬保守的論調を取っている[7][8][9][10]。 政治的には非常に反共主義的で、経済的には新自由主義的性向を帯びている。
未成年者の子どもを養うための体罰を「愛のムチ」として積極的に擁護している[11]。また、同性愛についても極端に保守的見解をとっている[12][13]。その他移民、良心的兵役拒否、障害者と精神疾患者人権問題などにおいても非常に社会保守主義的な見解をとっている。
国民保守主義的な性向があるため、日本に好意的ではない。しかし、朝鮮日報は米国と関連した外交的問題では国民主義的性向が大きくなく、非常に親米的な論調を見せている。
2018年9月に韓国の時事週刊誌「時事IN」の依頼で世論調査機関「Kantar Public」が実施した世論調査で、最も信頼できないメディア1位に選ばれた(2位は朝鮮日報系列のテレビ朝鮮。逆に最も信頼できるメディア1位は中央日報系列のテレビ局JTBCであった。なお中央日報は信頼できないメディア5位であった。)[14]。
- ^ 朝鮮日報日本大百科全書(ニッポニカ)
- ^ “<特集>毎日新聞社と海外メディア、進む提携 相互理解、促進目指す”. 毎日新聞. (2016年8月25日) 2023年7月11日閲覧。
- ^ “▒ 한국ABC협회 ▒”. kabc.or.kr. 2022年12月7日閲覧。
- ^ 世論調査:本紙が購読率・閲読率でトップを維持 朝鮮日報 2009/03/05 閲覧
- ^ “ペ・ヨンジュン公式サイトに約30万人が訪問~NetRatingsの6月度調査”. Impress Watch. (2004年7月26日) 2008年12月20日閲覧。
- ^ “【重要なお知らせ】記事公開期限の改定について”. 朝鮮日報. (2008年11月13日) 2008年12月20日閲覧。
- ^ “North Korea: Fake news on both sides is the norm”. Deutsche Welle (2019年6月3日).“An article in one of South Korea's largest dailies, the ultraconservative Chosun Ilbo, made further headlines worldwide on Friday.”
- ^ Sunyoung Park (2019). Revisiting Minjung: New Perspectives on the Cultural History of 1980s South Korea. University of Michigan Press. p. 27. ISBN 9780472054121
- ^ Edward Friedman, Sung Chull Kim (2007). Regional Co-operation and Its Enemies in Northeast Asia: The Impact of Domestic Forces. Routledge. ISBN 978-1-1341-49704 . "In August 2005, a survey by an ultra- conservative newspaper Chosun Ilbo found that 65.9 percent of young generations (under 25 years ..."
- ^ “Moon slams LKP for defending info leak”. The Korea Times (2019年5月29日).“DPK lawmakers strongly criticized Khang ― a former managing editor of the ultra-right Chosun Ilbo daily newspaper from March 2013 to September 2015 ― saying the leak will cause diplomatic problems between Seoul and Washington and also have a major impact on mutual trust between President Moon and Trump.”
- ^ 「愛のムチ」を訓育するために必要。.
- ^ 同性愛のわな
- ^ 全國敎職員勞動組合「同性愛の性観念を教える」 保護者ら、大騒ぎ
- ^ “조선일보·TV조선, 가장 불신하는 매체 1·2위 2018년 시사IN 언론신뢰도 조사결과…신뢰도 1위 매체 JTBC(朝鮮日報・テレビ朝鮮、最も信頼できないメディア1・2位 2018年時事INのメディアの信頼性調査結果…最も信頼できるメディアはJTBC)” (朝鮮語). メディア・トゥデイ. (2018年9月21日) 2019年5月10日閲覧。
- ^ “김정은 옛애인, 현송월 포르노 찍어 유출 돼 공개처형” (朝鮮語). news.chosun.com (2013年8月29日). 2019年8月21日閲覧。
- ^ “北朝鮮の処刑・粛清説になぜ誤報が多いのか | 韓国・北朝鮮”. 東洋経済オンライン (2019年6月25日). 2019年8月21日閲覧。
- ^ INC, SANKEI DIGITAL (2019年6月3日). “粛清説の金正恩氏側近健在 公演同行、韓国紙は誤報”. 産経フォト. 2019年8月21日閲覧。
- ^ a b “社説 性接待を強要された女優の自殺、いまこそ事件の真実解明を”. ハンギョレ. (2018年3月25日) 2018年6月27日閲覧。
- ^ a b c ““手抜き捜査”に終わったチャン・ジャヨン事件…“性接待”疑惑明かされるか”. ハンギョレ. (2018年4月2日) 2018年6月27日閲覧。
- ^ a b “女優の故チャン・ジャヨンへの強制わいせつ容疑の元朝鮮日報記者、在宅起訴へ”. WoW!Korea. (2018年6月26日) 2018年6月27日閲覧。
- ^ ““장자연 사건 수사 때 조선일보 압력 있었다”(「チャン・ジャヨン事件捜査に朝鮮日報圧力あった」)”. メディアトゥデイ. (2018年4月17日) 2018年6月27日閲覧。
- ^ “검찰,‘장자연 강제추행’전 조선일보 기자 불구속기소(検察、「チャン・ジャヨン強制わいせつ」元朝鮮日報記者在宅起訴)”. ハンギョレ. (2018年6月26日) 2018年6月27日閲覧。
- ^ “검찰 재수사로 '장자연 사건 연루' 전 조선일보 기자 기소(検察の再捜査で「チャン・ジャヨン事件関与」元朝鮮日報記者起訴)”. JTBC. (2018年6月26日) 2018年6月27日閲覧。
- ^ “단독 끝나지 않은 장자연사건 2라운드 하원 전 스포츠조선 사장의 또 다른 이야기‘조선일보 方씨 일가는 무엇이 그토록 두려웠나?(単独 終わらないチャン・ジャヨン事件2ラウンドハウス元スポーツ朝鮮社長のまた別の話 朝鮮日報方氏一家は何をそんなに恐れている?)”. サンデージャーナル. (2018年6月27日) 2018年6月27日閲覧。
- ^ “검찰, 고 장자연 강제추행 전직 기자 불구속 기소(検察、故チャン・ジャヨン強制わいせつ元記者在宅起訴)”. 京郷新聞. (2018年6月26日) 2018年6月27日閲覧。
- ^ “【萬物相】外国国旗の冒涜”. (2012年9月24日) 2012年9月27日閲覧。
- ^ “日本人には「『加虐本能』が遺伝子の中に流れている」 最大手朝鮮日報が社説で侮辱的暴論”. J-CASTニュース. (2012年9月26日) 2012年9月27日閲覧。
- ^ 国土の一部を戦争被害国に献上すべき j-cast 2013年7月4日
- ^ 事故機の操縦士、B777運航経歴わずか43時間 中央日報 2013年7月8日
- ^ 「死者が中国人でほっとした」―韓国人キャスター発言に非難集中 WSJ 2013年7月9日
- ^ アシアナ機事故 元教官がパイロット養成の内幕を明かした衝撃的メール!―ドイツ紙 record china 2013年7月15日
- ^ NTSBの "パイロット過失の主張対応5命令 朝鮮日報 2013年7月15日
- ^ 菅官房長官 潘事務総長発言問題視せず TBS 2013年8月29日
- ^ 盗っ人たけだけしい日本メディア、国連総長発言を猛非難 朝鮮日報 2013年8月29日
- ^ 대통령을 둘러싼 風聞 朝鮮日報 2014年7月18日(朝鮮語)
- ^ 大統領をめぐるうわさ 朝鮮日報 2014年8月10日(日本語版)
- ^ 朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に…誰と会っていた? 産経新聞 2014年8月3日
- ^ 本紙ソウル支局長に出頭要請 ウェブ記事「大統領の名誉毀損」 韓国検察 産経新聞 2014年8月9日
- ^ 岸田外相、産経支局長聴取「報道の自由、心配」 尹外相に伝達 産経新聞 2014年8月10日
- ^ “岸田外相が頭を下げた! 「慰安婦」日韓合意、日本相手なら何でもあり? 事実に反する韓国紙の“演出””. 産経ニュース. (2016年1月7日9時7分) 2016年2月5日閲覧。
- ^ “文政権が韓国紙日本語版を「売国的」と批判 事実上言論統制”. 産経新聞 (2019年7月17日). 2019年7月17日閲覧。
- ^ “「朝鮮日報」不買に飛び火した日本製品不買運動”. ハンギョレ (2019年7月23日). 2019年7月24日閲覧。
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