コンスタンティン・チェルネンコ 生い立ちから権力の掌握まで

コンスタンティン・チェルネンコ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/25 13:47 UTC 版)

生い立ちから権力の掌握まで

生い立ち

1911年9月24日ロシア帝国シベリアクラスノヤルスクのノヴォショーロヴォ地区ボリシャヤ・テシ村にて生まれる。チェルネンコは貧農の出身であり[1]、父親は鉱山で働き、母親は農作業に従事していた。チェルネンコ自身は、幼少時には富農(クラーク)に雇われて働いた。1929年コムソモールに入り、同年、ノヴォショーロヴォ地区宣伝・煽動部長となる。翌1930年、軍に志願し、ソ連中華民国の間の国境警備隊に配属される。

共産党

1931年ソビエト連邦共産党に入党し、軍を除隊した後はクラスノヤルスク地方党宣伝部副部長となる。第二次世界大戦中はクラスノヤルスク地方党書記を務めた。モルダビア(現在のモルドバ)のキシニョフ教育大学を卒業し、第二次世界大戦終結後の1945年ペンザ州党委員会書記を経て、1948年にモルダビア共和国共産党中央委員会宣伝扇動部長となる。この時のモルダビア共産党第一書記が、後にソ連共産党書記長となるレオニード・ブレジネフであった。

ブレジネフの知遇を得たチェルネンコは、1956年にソ連共産党宣伝部大衆煽動活動課長に登用される。以後ブレジネフの側近として昇進を続け、1960年にブレジネフが憲法上の国家元首ポストである最高会議幹部会議長に就任すると同時に、彼の首席補佐官に就任した。1964年フルシチョフが失脚し、ブレジネフが第一書記(後に書記長)に就任すると、翌1965年にチェルネンコは「書記長官房」の異名を取るソ連共産党中央委員会総務部長に指名された。その中で、政治局の議題の設定や、中央委員会が策定した多数の法案と決議案を準備するという任務や、さまざまな党幹部の電話を盗聴し、行動を監視するという任務を司った。また、毎日何百もの党文書に署名する仕事が与えられ、総務部長就任以来20年間に渡って書記長に就任してなおも総務部から提出された文書に署名し続けた。また中央委員会に投書部を設け、下僚の意見を積極的に吸い上げようとした。

1971年、中央委員会委員に昇進。1976年3月、中央委員会書記に抜擢された。さらに1977年政治局員候補に、1978年11月には政治局員へと昇進した。

ブレジネフ政権末期の頃には党のイデオロギー担当の仕事に従事した。外国訪問の際にはソ連代表を率いた他、重要な会議にはブレジネフに同伴して出席した。1977年には憲法改正委員会の委員として新憲法の制定に尽力した。

1979年にテヘランのアメリカ大使館が作成したドキュメント

注釈

  1. ^ ユリウス暦では9月11日となる。

出典

  1. ^ Jessup, John E. (1998). An Encyclopedic Dictionary of Conflict and Conflict Resolution, 1945-1996. Westport, CT: Greenwood Press. p. 121. https://www.questia.com/read/106899354/an-encyclopedic-dictionary-of-conflict-and-conflict  (要購読契約)
  2. ^ 木村明生「クレムリン 権力のドラマ」朝日選書、1985年、p374-375
  3. ^ 木村明生「クレムリン 権力のドラマ」朝日選書、1985年、p395-396
  4. ^ Время. Эфир 11 марта 1985 - YouTube - ソビエト連邦中央テレビ(ロシア語)
  5. ^ Soir 3 : émission du 11 mars 1985 - INA(フランス語)
  6. ^ Soir 3 : émission du 11 mars 1985 - YouTube - INA Actu(フランス語)
  7. ^ ニュース速報・字幕スーパー - NHKクロニクル
  8. ^ Время. Эфир 12.03.1985 - YouTube - ソビエト連邦中央テレビ(ロシア語)
  9. ^ Прощание с Константином Черненко в Колонном зале Дома Союзов. Время. Эфир 12 марта 1985 - YouTube - ソビエト連邦中央テレビ(ロシア語)
  10. ^ 木村汎, 皆川修吾, 西村可明 ほか 共著 「ソビエト研究 ソ連を知りたい人のために」教育社 1985年11月15日、p.6


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