一般用医薬品
医薬品のうち、医師の処方箋を必要としない、店頭で販売できる医薬品。「医療用医薬品」に対する区分。
一般用医薬品は、その含有成分のリスクの程度に基づき「第一類医薬品」「第二類医薬品」「第三類医薬品」の3項目に区分されている。第一類医薬品は「特にリスクが高いもの」、第二類医薬品は「リスクが比較的高いもの」、第三類医薬品は「リスクが比較的低いもの」と定義されている。
一般用医薬品の「第一類医薬品」「第二類医薬品」「第三類医薬品」の区分は、2006年に成立し2009年に施行された改正薬事法において定義された。第一類医薬品は薬剤師による対面販売が必要、第二類医薬品は薬剤師の監督が必要であるが直接販売する者は資格を満たした登録販売者でも可とされた。第三類医薬品は、薬剤師の監督がなくても登録販売者であれば販売できる。
改正薬事法により、コンビニエンスストアなどでも販売可能な第三類医薬品以外は、インターネットを通じて販売することが禁止された形となった。ECサイト「ケンコーコム」などはこれに異議を唱え、改正法の無効を主張して訴訟を起こしていた。
2013年1月、最高裁判所は原告の訴えを認め、改正法による権利制限が無効であるとの判決を下した。これによって薬のネット販売が事実上可能となった。2013年3月現在、政府も薬のネット販売を全面的に解禁する方針を固め、議論や調整を進めつつある。
関連サイト:
一般用医薬品販売制度 - 厚生労働省
医薬品のインターネット販売をめぐる動向 - 国立国会図書館
いっぱんよう‐いやくひん【一般用医薬品】
一般用医薬品
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/05 16:12 UTC 版)
一般用医薬品(いっぱんよういやくひん)とは、医師による処方箋を必要とせずに購入できる医薬品のことである。市販薬、家庭用医薬品、大衆薬、売薬などとも呼ばれる。また、カウンター越し(英語: over the counter)に売買されることから、OTC医薬品とも呼ばれる。ここでは、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下、「医薬品医療機器等法」と略記)上の一般用医薬品のみならず、要指導医薬品についても説明する。
注釈
- ^ ただし、雑貨などを販売するドラッグストアなどはスーパーなどと同じように混む時間帯があるため、そのような場合は実質的に詳しく説明をしている余裕がないという実情がある。そのため、ほとんどの場合はただ販売するだけという形になりがちである。
出典
- ^ a b セルフメディケーションにおける一般用医薬品のあり方について(平成14年11月8日) 一般用医薬品承認審査合理化等検討会 中間報告書(厚生労働省)
- ^ 厚生労働省. “薬事法の一部を改正する法律の概要” (PDF). 2010年7月18日閲覧。
- ^ 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則 - e-Gov法令検索
- ^ 試験問題の作成に関する手引き第4章薬事関係法規・制度p203下段(v) (PDF)
- ^ a b c 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 - e-Gov法令検索
- ^ 薬事法の一部を改正する法律等の施行等について」(平成21年5月8日薬食発第0508003号医薬食品局通知(平成23年5月13日最終改正)159条14項関係 (PDF) 。
- ^ “特定一般用医薬品等購入費を支払ったとき(医療費控除の特例)セルフメディケーション税制”. 国税庁 2020年1月17日閲覧。
- ^ セルフメディケーションを視野に入れた 新一般用医薬品の開発と評価 http://homepage3.nifty.com/cont/27sup/OTC.html
- ^ 一般用医薬品のインターネット販売について 平成26年5月厚生労働省 医薬食品局 総務課 (PDF) 2020年1月17日閲覧
- ^ 要指導医薬品(厚生労働省)平成26年10月25日更新
- ^ 新一般用医薬品(厚生労働省告示第69号(平成19年3月30日)の別表第一に掲げる医薬品以外の第一類医薬品)一覧(平成26年10月25日現在)
- ^ 第一類医薬品 (PDF)
- ^ 「薬事法の一部を改正する法律等の施行等について」(平成21年5月8日薬食発第0508003号医薬食品局通知(平成23年5月13日最終改正)159条14項関係 (PDF)
- ^ 乱用等のおそれがある医薬品 (PDF)
- ^ 「薬事法の一部を改正する法律等の施行等について」(平成21年5月8日薬食発第0508003号医薬食品局通知(平成23年5月13日最終改正) (PDF)
- ^ 厚生労働省 医薬品等安全対策部会 (PDF) 平成21年5月8日発表
一般用医薬品 (スイッチOTC)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/26 07:08 UTC 版)
「ファモチジン」の記事における「一般用医薬品 (スイッチOTC)」の解説
1997年に山之内製薬は、ガスター(錠剤)をスイッチOTCした「ガスター10」(ガスター・テン)を発売開始。内用薬初のスイッチOTCであった。ガスター10は、元々「ガスター20」の名称で医療用医薬品として使用されていた物を、一般用医薬品(大衆薬)として販売するために、ファモチジンの含有量を10mgに抑えて開発した物である。現在でも医療用医薬品としてガスター20は広く使われている。 当時は胃酸を抑える効果のあるアルミニウム・マグネシウムや胃粘膜を保護する成分(ロートエキス・スクラルファート等)・消化酵素(リパーゼ等)など古典的な成分を配合した胃腸薬のみ市販化されていたため、1回あたりの単価が高価であるにも関わらず、胃痛・胸やけに即効性のあるガスター10は瞬く間にヒット商品となり、後に散・OD錠・内用液(医療用には無い)型も発売されるようになった。他の大衆薬メーカーも1998年からH2ブロッカー製品の市販に追従したが、撤退して流通していない。 ただし、体質や既往歴によっては重篤な副作用が起こる可能性があることや、あくまで対症療法のため常用を続けると重篤な胃疾患(胃潰瘍・胃癌など)の症状を紛らわせて発見が遅れる場合もあるため、発売当初より「薬剤師に相談すること」を広告で周知している。2009年の改正薬事法施行により第一類医薬品に移行してるため、引き続き薬剤師のいる薬局・ドラッグストアでないと販売できない。なおガスター10には、ファモチジン以外の有効成分は含んでいないため、食べ過ぎによる消化促進の効果はない。 ガスター10は2004年にゼファーマへ移管され、後に第一三共ヘルスケアへ吸収されたことから、同社(第一三共)の製品として発売されている。 山之内時代・ゼファーマ時代・第一三共時代まで一貫して、パッケージの「ガスター10」ロゴの「10」には必ず「テン」の振り仮名が振ってある。
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