一般用医薬品
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/05 16:12 UTC 版)
概要
一般用医薬品承認審査合理化等検討会の中間報告書[1]によると、一般用医薬品とは、「一般の人が、薬剤師等から提供された適切な情報に基づき、自らの判断で購入し、自らの責任で使用する医薬品であって、軽度な疾病に伴う症状の改善、生活習慣病等の疾病に伴う症状発現の予防、生活の質の改善・向上、健康状態の自己検査、健康の維持・増進、その他保健衛生を目的とするもの」と定義されている。充分な説明や情報を示した上で、消費者が自ら簡単な治療を行うというセルフメディケーションの方向性が提唱されている。
法律上は、長らく医療用医薬品以外の医薬品として扱われていたが、2006年の薬事法改正(2009年6月1日施行)により、「医薬品のうち、その効能および効果において人体に対する作用が著しくないものであって、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの」と定義された。よって購入に際しては薬剤師や登録販売者の助言と指導を受けることが望ましい。詳細は店舗販売業。
価格競争などにより、業界の流れとして、大衆薬事業の縮小・撤退の動きや、逆に撤退する他社事業の受け入れによる事業強化を目指す方向に二分化している。
- ファイザーの一般用医薬品事業部門 → ジョンソン・エンド・ジョンソン(現:JNTLコンシューマーヘルス) → 販売のみ武田薬品工業(現:アリナミン製薬)へ
- ゼファーマ(山之内製薬・藤沢薬品工業) → 吸収合併により第一三共ヘルスケアへ
- 中外製薬の一般用医薬品部門 → ライオン(なお、外用鎮痛消炎薬の「ゼノール」は大鵬薬品工業、解熱鎮痛薬「サリドン」の製造は販売元だったゼファーマ(現:第一三共ヘルスケア)へ)
- 大日本製薬(現:住友ファーマ) → 興和
- 三菱ウェルファーマ(旧:三菱東京製薬・ウェルファイド、現:田辺三菱製薬) → 佐藤製薬
- 住友製薬ヘルスケア(元:住友製薬子会社、現:住友ファーマ) → ダンヘルスケア(大日本除虫菊(金鳥)グループ)
- ノバルティスファーマの一般用医薬品部門 → グラクソ・スミスクラインのコンシューマーヘルスケア部門と統合し、グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパンへ
また、OTC製造販売に一本化した企業や、シオノギヘルスケア(塩野義製薬から分社化)・アリナミン製薬(武田薬品工業から分離・独立)の様に、OTC事業を子会社として分社化した企業も見られる。
注釈
- ^ ただし、雑貨などを販売するドラッグストアなどはスーパーなどと同じように混む時間帯があるため、そのような場合は実質的に詳しく説明をしている余裕がないという実情がある。そのため、ほとんどの場合はただ販売するだけという形になりがちである。
出典
- ^ a b セルフメディケーションにおける一般用医薬品のあり方について(平成14年11月8日) 一般用医薬品承認審査合理化等検討会 中間報告書(厚生労働省)
- ^ 厚生労働省. “薬事法の一部を改正する法律の概要” (PDF). 2010年7月18日閲覧。
- ^ 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則 - e-Gov法令検索
- ^ 試験問題の作成に関する手引き第4章薬事関係法規・制度p203下段(v) (PDF)
- ^ a b c 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 - e-Gov法令検索
- ^ 薬事法の一部を改正する法律等の施行等について」(平成21年5月8日薬食発第0508003号医薬食品局通知(平成23年5月13日最終改正)159条14項関係 (PDF) 。
- ^ “特定一般用医薬品等購入費を支払ったとき(医療費控除の特例)セルフメディケーション税制”. 国税庁 2020年1月17日閲覧。
- ^ セルフメディケーションを視野に入れた 新一般用医薬品の開発と評価 http://homepage3.nifty.com/cont/27sup/OTC.html
- ^ 一般用医薬品のインターネット販売について 平成26年5月厚生労働省 医薬食品局 総務課 (PDF) 2020年1月17日閲覧
- ^ 要指導医薬品(厚生労働省)平成26年10月25日更新
- ^ 新一般用医薬品(厚生労働省告示第69号(平成19年3月30日)の別表第一に掲げる医薬品以外の第一類医薬品)一覧(平成26年10月25日現在)
- ^ 第一類医薬品 (PDF)
- ^ 「薬事法の一部を改正する法律等の施行等について」(平成21年5月8日薬食発第0508003号医薬食品局通知(平成23年5月13日最終改正)159条14項関係 (PDF)
- ^ 乱用等のおそれがある医薬品 (PDF)
- ^ 「薬事法の一部を改正する法律等の施行等について」(平成21年5月8日薬食発第0508003号医薬食品局通知(平成23年5月13日最終改正) (PDF)
- ^ 厚生労働省 医薬品等安全対策部会 (PDF) 平成21年5月8日発表
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