nimbus
「nimbus」の意味・「nimbus」とは
「nimbus」はラテン語由来の英語単語で、一般的に「雲」や「光輪」を意味する。特に、気象学においては「nimbus」は雨をもたらす暗い雲を指す言葉として用いられる。また、宗教的な文脈では、聖人や神々の頭部を囲む光輪を表すために使われる。「nimbus」の発音・読み方
「nimbus」の発音は、IPA表記では/'nɪmbəs/となる。IPAのカタカナ読みでは「ニンバス」、日本人が発音するカタカナ英語では「ニンバス」と読む。この単語は発音によって意味や品詞が変わるものではない。「nimbus」の定義を英語で解説
英語の辞書における「nimbus」の定義は次の通りである。「A cloud, aura, atmosphere, etc., surrounding a person or thing」。つまり、人や物を取り囲む雲やオーラ、雰囲気を指す。また、「A large gray rain cloud」の定義もあり、これは大きな灰色の雨雲を意味する。「nimbus」の類語
「nimbus」の類語としては「aura」、「halo」、「glow」などがある。これらはいずれも何かを取り囲む光や雰囲気を表す言葉である。特に「aura」は個体の周囲に感じられる特殊な雰囲気やエネルギーを、「halo」は光輪や後光を、「glow」は光り輝く様子をそれぞれ表す。「nimbus」に関連する用語・表現
「nimbus」に関連する用語としては、「cumulonimbus」や「nimbostratus」がある。これらはいずれも雲の種類を表す気象学の専門用語で、「cumulonimbus」は積乱雲、「nimbostratus」は層雨雲を指す。「nimbus」の例文
以下に、「nimbus」を用いた例文を10個示す。 1. The nimbus around the saint in the painting gives him a divine appearance.(絵画の中の聖人を取り囲む光輪は、彼に神聖な雰囲気を与えている。) 2. The nimbus clouds in the sky foretell a heavy rain.(空に広がるニンバス雲は大雨を予告している。) 3. The nimbus of mystery surrounding the ancient artifact intrigued the archaeologists.(古代の遺物を取り囲む神秘的な雰囲気が考古学者たちを引きつけた。) 4. The nimbus of the setting sun bathed the landscape in a warm glow.(夕日の光輪が風景を暖かな輝きで包み込んだ。) 5. The nimbus of the full moon created a magical atmosphere.(満月の光輪が魔法のような雰囲気を作り出した。) 6. The nimbus of the street light blurred in the foggy night.(霧の夜、街灯の光輪がぼんやりとぼけた。) 7. The nimbus of the holy figure in the stained glass window was beautifully illuminated.(ステンドグラスの窓に描かれた聖なる人物の光輪が美しく照らし出されていた。) 8. The nimbus of the lighthouse guided the lost ship to the shore.(灯台の光輪が迷った船を岸に導いた。) 9. The nimbus of the candle light created a romantic ambiance.(ろうそくの光輪がロマンチックな雰囲気を作り出した。) 10. The nimbus of the rising sun signaled the start of a new day.(昇る太陽の光輪が新たな一日の始まりを告げた。)ニンバス
ニンバスまたはニンブス(ラテン語:nimbus[1]、フランス語:nimbe[2]、英語:nimbus[3]、ドイツ語:nimbus[4])
ギリシア神話では、神が地上に現れたときに、その身を輝く雲(光雲)がとりまいているという[3]。ラテン語のnimbusには「雨雲」「(一面の)煙」「大群」「豪雨」などのほか、聖像などの後光・光輪の意味がある[1]。ここから派生して、宗教芸術分野における「後光」「光背」「光輪」や「オーラ」(オーリオール)[注 1]「ハロ」(「ヘイロー」)などに相当し、気象分野では雨雲を表す語などに用いる。
宗教・美術分野
キリスト教美術の文脈では神や天使・聖人・使徒などの頭部や背部に円形で描かれる表現を「ニンブス」(ドイツ語の「ハイリゲンシャイン(Heiligenschein)」、英語の「グローリー(glory)」に相当)という[6]。円輪もしくは円盤状で、黄金色で描かれることが多い[6]。
2世紀の図像から登場し、時代により表現に変化がみられる[6]。イエス図では2世紀に登場するようになり、3世紀になるとほぼ必ず描かれるようになった[6]。5世紀には聖母マリアや使徒の図像にも登場、イエスには十字架型のニンブスを描いて区別するようになった[6]。6世紀に入ると天使・聖人にも描かれるようになった[6]。8世紀から9世紀のイタリアでは、存命中の高僧や王の図に方形状のニンブスが描かれた[6]。とくに全身を包むように描かれるものを「aureole」(オーレオール、オリオール)という[7]。
美術表現としては、キリスト教に先立ってヘレニズム期のオリエント・ローマ美術にもみられる[8]。仏教美術では「光背」「光輪」「頭光」などと言い[8][7][9]、キリスト教の「オーラ」「ニンブス」などの日本訳語にもこれらの語があてられている[7]。
気象分野
気象分野・気象学では、雲、とくに雨をもたらす雨雲に関連する辞として用いる[10]。単に「雨雲」の意でも用いる[11]。
- cumulonimbus(cumulus + nimbus) - 積乱雲(入道雲)[12][13]
- nimbostratus(nimbus + stratus) - 乱層雲[14][15]
- cumulonímbus cálvus - 無毛雲[16]
など
アメリカの気象衛星
アメリカ合衆国ではもっぱら気象の観測に用いる人工衛星に「Nimbus」(ニンバス)と命名(ニンバスシリーズ[17])、1964年の1号から1978年の7号まで打ち上げられた。
- ニンバス (人工衛星) - アメリカ合衆国の気象衛星
その他の例
- ニンバス (1910年生の競走馬)
- ニンバス (1946年生の競走馬)
- ニンバス (バラ) - バラの品種
- ニンバス・ローマンNo.9 L - フォント
- ブリストル・シドレー ニンバス - ターボシャフトエンジン
- ニンバス・レコード - クラシック音楽を専門とするイギリスのレコード・レーベル。
- ニンブス (オートバイ) - デンマークのオートバイメーカー(1919 - 1960)。
関連項目
- ニンバス2000、ニンバス2001 - 『ハリー・ポッターシリーズ』に登場する魔法のほうき。ハリー・ポッターシリーズの魔法のほうきを参照。
- ニンブス・フィルム
- Nimsoft(旧名: Nimbus Software)
脚注
注釈
出典
- ^ a b 研究社『羅和辞典』「nimbus」2023年5月19日JapanKnowledgeで閲覧。
- ^ 小学館『ロベール仏和大辞典』「nimbe」。2023年5月19日JapanKnowledgeで閲覧。
- ^ a b 小学館『ランダムハウス英和大辞典』「nim・bus」。2023年5月19日JapanKnowledgeで閲覧。
- ^ 小学館『独和大辞典』「Nim・bus」。2023年5月19日JapanKnowledgeで閲覧。
- ^ 小学館『日本大百科全書 ニッポニカ』森田團「アウラ」
- ^ a b c d e f g 平凡社『世界大百科事典』「光背」、吉川逸治「キリスト教美術の光背」。2023年5月19日JapanKnowledgeで閲覧。
- ^ a b c 小学館『日本大百科全書 ニッポニカ』佐藤昭夫「光背」
- ^ a b 平凡社『世界大百科事典』「光背」、吉川逸治「キリスト教美術の光背」。2023年5月19日JapanKnowledgeで閲覧。
- ^ 小学館『デジタル大辞泉』「光輪」。2023年5月19日JapanKnowledgeで閲覧。
- ^ 小学館『SPED理工系英和辞典』「nimbus」
- ^ 小学館『プログレッシブ和英中辞典』「雨雲」
- ^ 小学館『SPED理工系英和辞典』「cumulonimbus」
- ^ 小学館『ランダムハウス英和大辞典』「cùmulo・nímbus」
- ^ 小学館『ロベール仏和大辞典』「nimbo-stratus」
- ^ オックスフォード大学出版局『Oxford Advanced Learner's Dictionary』「nimbo・stratus」
- ^ 小学館『ランダムハウス英和大辞典』「cumulonímbus cálvus」
- ^ 平凡社『世界大百科事典』「気象衛星」
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