TECH21広告へのレーシングライダー起用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 15:23 UTC 版)
「資生堂」の記事における「TECH21広告へのレーシングライダー起用」の解説
1985年、資生堂は新しい男性用化粧品としてTECH21を発売、主たる販売ターゲットである若年層に訴求するため、イメージキャラクターとしてヤマハファクトリーチーム所属のレーシングライダー平忠彦を起用した。平は1982年公開の映画『汚れた英雄』で、主演の草刈正雄の代わりにレースシーンのスタントを担当した。1983年から1985年にかけて全日本ロードレース選手権500ccクラスの年間チャンピオンを3連覇した事で一般にも名前が認知されていたが、モータースポーツ関係の人間を化粧品のキャラクターとして起用すること自体、当時として異例の扱いであった。 資生堂はさらにTECH21のプロモーション活動を展開、1985年より鈴鹿8時間耐久ロードレース(以下、鈴鹿8耐)に出走するヤマハワークス・チームのメインスポンサーとなり、TECH21のロゴをFZR750(1985年)とYZF750(1986年 - 1990年)の車体及びライディングスーツやスタッフウェアに展開した。1980年代半ばの日本のレースシーンにおいて、モータースポーツに全く関係のない異業種がレーシングチームをフルスポンサーすることはまだとても珍しく、原色ばかりの当時のレーシングマシンのカラーリングの中にあってこれまた異色の紫色のマシン、そしてイメージキャラクターである平の知名度も相まって、TECH21チームはレース関係者やレースファンのみならず、レースに関心の薄い一般の人々の注目をも集めることとなった。また、鈴鹿8耐において、サーキットにレースクイーンを擁したのも、TECH21が初めて行った。 サーキットを疾走する印象的な紫色を纏ったマシンとライダーである平が織り成すドラマティックとも悲劇的とも形容されるレース展開と内容は観る者を惹きつけ、その注目の度合いは参戦を重ねるとともに高まることとなった。そして資生堂のスポンサー開始から6年目の1990年、平とTECH21チームは遂に悲願の鈴鹿8耐優勝を達成し、この年をもって鈴鹿8耐における資生堂のスポンサーも終了した(TECH21チームとしては1987年にも優勝しているが、このとき平は怪我のために出走していない)。 資生堂の撤退以降もヤマハのワークス・チームは鈴鹿8耐においてゼッケン21を継続して使用しており、ゼッケン21は鈴鹿8耐におけるヤマハのエースナンバーとしてレースファンの間に定着している。また2019年、ヤマハはYZF-R1の販売開始から21周年となることを記念して、資生堂の協力でTECH21カラーを復刻して鈴鹿8耐に臨むことを発表している。 詳細は「平忠彦#鈴鹿8耐での活躍」を参照 資生堂TECH21限定車 薄紫に塗装された車輌の両サイドに黒文字で、資生堂とTECH21のロゴを配置したカラーリングである。ヤマハ発動機ワークス・チームのスポンサーカラーであるTECH21カラーは、1980年代後半に人気を博した為、排気量毎に幾種類かのモーターサイクルが、ヤマハ発動機から限定販売された。以下は、公式に発売されたモデルである。 FZ250-PHAZER(前期型) FZR250(前期型) YSR50(前期型)※80ccのラインアップ無し CUTE(50ccスクーター) CHAMP-RS(50ccスクーター)※発売時期の異なる2種類のスポンサーカラーが存在 1989年型JOG-SPORTS EDITION(50ccスクーター)※パールホワイトベースに銀文字の塗色 鈴鹿8時間耐久ロードレースのプロモーション活動 1985年 - 1990年に亘り、鈴鹿8時間耐久ロードレース(鈴鹿8耐)に参戦するヤマハ発動機にスポンサードしていたチーム体制と決勝結果は、以下の通り。 2019年(令和元年)R1誕生21周年に「ヤマハTECH21チーム」復刻カラーで、限定スポンサードを開始した。なお、資生堂から「TECH21」の関連商品の復刻発売は、今回見送られた。 1985年チーム ヤマハ・TECH21チーム 決勝リタイヤライダー 平忠彦/ケニー・ロバーツ使用車両 TT-F1/FZR750 1986年チーム SHISEIDO TECH21 レーシングチーム・ヤマハ 決勝リタイヤライダー 平忠彦/クリスチャン・サロン使用車両 TT-F1/YZF750 1987年チーム SHISEIDO TECH21 レーシングチーム・ヤマハ 決勝優勝ライダー マーチン・ウイマー/ケビン・マギー使用車両 TT-F1/YZF750(片持ちスイングアーム仕様) 1988年チーム SHISEIDO TECH21 レーシングチーム・ヤマハ 決勝リタイヤライダー 平忠彦/マイケル・ドゥーハン使用車両 TT-F1/YZF750 1989年チーム SHISEIDO TECH21 レーシングチーム・ヤマハ 決勝リタイヤライダー 平忠彦/ジョン・コシンスキー使用車両 TT-F1/YZF750 1990年チーム SHISEIDO TECH21 レーシングチーム・ヤマハ 決勝優勝ライダー 平忠彦/エディー・ローソン使用車両 TT-F1/YZF750 2019年チーム ヤマハ・ファクトリーレーシングチーム 決勝準優勝ライダー 中須賀克行/アレックス・ローズ使用車両 SBK/YZF-R1
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