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SO2

※「大車林」の内容は、発行日である2004年時点の情報となっております。

二酸化硫黄

同義/類義語:亜硫酸
英訳・(英)同義/類義語:sulfur dioxide

SO2

二酸化硫黄

(Sulfur dioxide から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/29 08:43 UTC 版)

二酸化硫黄
識別情報
CAS登録番号 7446-09-5
ChemSpider 1087
EC番号 231-195-2
E番号 E220 (防腐剤)
国連/北米番号 1079, 2037
RTECS番号 WS4550000
特性
化学式 SO2
モル質量 64.07 g mol-1
外観 無色気体
匂い 刺激臭
密度
  • 2.619 g/L[1], 気体
  • 1.354 g/cm3 (-30 ℃)[要出典], 液体
  • 1.434 g/cm3 (-10 ℃)[2], 液体
融点

-72.4 ℃ (200.75 K)[要出典]

沸点

-10 ℃ (263 K)[2]

への溶解度 9.4 g/100 mL (25 ℃)
蒸気圧
  • -10 ℃ : 1013 hPa
  • 20 ℃ : 3300 hPa
  • 40 ℃ : 4400 hPa
酸解離定数 pKa 1.81
粘度 12.82 μPa·s[3]
構造
分子の形 折れ線形(O-S-O 結合角は120度)[4]
双極子モーメント 1.63 D
危険性
GHSピクトグラム
GHSシグナルワード 警告(WARNING)
Hフレーズ H314, H331
Pフレーズ P260, P261, P264, P271, P280, P301+330+331, P303+361+353, P304+340, P305+351+338, P310, P311, P321, P363, P403+233
NFPA 704
0
3
0
引火点 不燃性
関連する物質
関連物質
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

二酸化硫黄(にさんかいおう、: sulfur dioxide)は、化学式SO2無機化合物である。常温では刺激臭を有する気体。気体は別名亜硫酸ガス[5]化石燃料燃焼などで大量に排出される硫黄酸化物の一種であり、きちんとした処理を行わない排出ガス大気汚染環境問題の一因となる。

二酸化硫黄は火山活動工業活動により産出される。石炭石油は多量の硫黄化合物を含んでおり、この硫黄化合物が燃焼することで発生する。また、火山活動でも発生する。二酸化硫黄は二酸化窒素などの存在下で酸化され硫酸となり、酸性雨の原因となる[6]。空気よりも重い。

合成

二酸化硫黄は硫黄の完全燃焼により発生する。

二酸化硫黄の構造
二酸化硫黄の2つの共鳴構造

二酸化硫黄はC2v対称折れ線形構造である。電子に着目すると、硫黄原子の形式酸化数は+4、電荷は0で、5つの電子対を持っている。分子軌道法の点から見ると多くの電子対が結合に関与しており、典型的な超原子価化合物であると言われていたが、実際にはオゾン類似の比較的単純な結合構造であることが判明している。

硫黄酸化物一酸化硫黄と二酸化硫黄のS-O結合長は、一酸化硫黄SO (148.1 pm)、二酸化硫黄SO2 (143.1 pm) とOの数が増えるにつれて短くなっているが、酸素の同素体二酸素オゾンのO-O結合長は、二酸素O2 (120.7 pm)、オゾンO3 (127.8 pm) と長くなっている。さらに、結合解離エネルギーが一酸化硫黄と二酸化硫黄ではSO (524 kJ mol-1)、SO2 (548 kJ mol-1) と大きくなっているのに対し、二酸素とオゾンではO2 (490 kJ mol-1)、O3 (297 kJ mol-1) と小さくなっている。これに関しては、オゾンの各O-O結合が1.5重結合[7]であるのに対し、二酸化硫黄の場合はd軌道の混成による超原子価構造によりS=O二重結合となっている証拠であると説明された時代もあった(現在でもその誤った説明がなされている書籍などもある)。しかしながら硫黄を含む超原子価化合物(と呼ばれていた分子)の場合、理論計算(自然結合軌道を用いる)ではd軌道の結合への寄与は無視出来る程度に小さいことが少なくとも1980年代には判明しており[8][9][10][11][12]、この解釈が誤りなのは明らかである。つまり、硫黄原子の3d軌道は結合に関与するにはエネルギー的に高すぎであり[13]、2本のS-O σ結合とO-S-O鎖を繋ぐ三中心四電子π結合からなるルイス構造が最適な描写である(この結果S-O結合の結合次数は1.5となる)[7]。近年の実験により、二酸化硫黄のS-O結合はオゾンと同じように1.5重結合であるが、電気陰性度の違いにより硫黄原子が+2価、酸素原子が-1に近くなる事による両者の間のイオン結合的な力が働き、これが加算されることで2重結合なみの結合エネルギーとなっている事が判明している[14][15][16]

用途

二酸化硫黄には抗菌作用があるため、食品添加物としてドライフルーツ保存料漂白剤酸化防止剤に使われている。腐敗を防ぐためというより、見た目を保つために用いられることが多い。ドライフルーツは独特の風味を持つが、二酸化硫黄もその一因となっている。ワイン製造にも重要な役割を果たしており、ワイン中にもppm単位で存在している。抗菌剤や酸化防止剤の役割を果たし、雑菌の繁殖や酸化を防ぎ、酸性度を一定に保つ手助けをしている。

二酸化硫黄は還元剤としても用いられる。水の存在下で還元的な脱色作用を示すため、紙や衣服などの漂白剤として用いられる。しかし空気中の酸素により再酸化が起こるため、この漂白作用は長くは続かない。

二酸化硫黄は硫酸の生産にも用いられる。この場合二酸化硫黄の酸化により三酸化硫黄を合成し、ここから硫酸が合成される。この方法は接触法として知られている。

クロード・リブ (Claude Ribbe) の『ナポレオンの犯罪 The Crime of Napoleon』によると、二酸化硫黄は19世紀の初めまで、フランス皇帝によりハイチの奴隷の反乱の鎮圧に用いられていた。

二酸化硫黄はの伸縮に関する受容体の信号を止め、ヘーリング・ブロイエル反射を止める。

フロンの開発に先立ち、二酸化硫黄は家庭用冷蔵庫冷媒に用いられていた。

昆虫の標本を作る際、酢酸エチルを使うと体毛がぬれたり体色が変化したり油が染みでたりすることのある昆虫の殺虫剤として用いられている。

排出量

人為的なもの

アメリカ合衆国EPA2002年に報告したデータ[17]によると、アメリカ合衆国の二酸化硫黄排出量の変遷は以下のようになっている(単位:S/T)。

排出量
1970年 31,161
1980年 25,905
1990年 23,678
1996年 18,859
1997年 19,363
1998年 19,491
1999年 18,867

主にEPAの酸性雨対策プログラムの主導により、アメリカ合衆国の二酸化硫黄排出量は1983年から2002年の間で約33%減少した。これは排気ガスの脱硫技術が進み、硫黄を含む燃料を燃焼させても硫黄酸化物を回収できるようになったためである。特に酸化カルシウムは二酸化硫黄と反応し、亜硫酸カルシウムになることで二酸化硫黄を吸着する。

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