P-500 (ミサイル)
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/23 01:58 UTC 版)
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種類 | 対艦ミサイル |
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製造国 | ![]() |
設計 | 第52設計局 |
性能諸元 | |
ミサイル直径 | 0.9m |
ミサイル全長 | 11.7m |
ミサイル翼幅 | 2.6m |
ミサイル重量 | 6,000kg (P-500) 9,300kg (P-1000) ※発射重量 |
弾頭 | 500kg TNT あるいは 350kT 核 |
射程 | 550km (P-500) 700-1,000km (P-1000) |
推進方式 | ブースター: 固体燃料ロケット サステナー: ターボジェット |
誘導方式 | 中途航程: 慣性・自律誘導 終末航程: 電波ホーミング誘導 (ARH/PRH併用) |
飛翔速度 | マッハ2.4 (833 m/s)[1] |
P-500「バザーリト」(ロシア語: П-500 «Базальт»)[注釈 1]は、ソビエト連邦で開発された対艦ミサイル。また、発展型のP-1000「ヴルカーン」(ロシア語: П-1000 «Вулкан»)[注釈 2]についても本項で扱う。
GRAUインデックスとしては、P-500は初期型が4K77[2]、後期型が4K80、P-1000は3M70とされた[3]。また西側諸国においては、アメリカ国防総省(DoD)識別番号としてはSS-N-12、NATOコードネームとしては「サンドボックス」[注釈 3]と呼ばれた。
P-500
1963年2月、第52設計局[注釈 4]は、同設計局が開発した長射程対艦ミサイルであるP-6/35「プログレス」(P-6が潜水艦発射型、P-35が水上艦発射型)の後継となるミサイルの開発に着手し、同年12月にはさっそく原案が提出された。1969年からは白海沿岸のネノクサ実験所で発射試験が開始され[2]、1975年までに数十回に渡って試験が重ねられて、同年、海軍への引渡しが開始された[4]。
基本的な部分はP-6が踏襲されたが、飛翔速度・射程・弾頭威力の向上が図られている。飛行パターンも同様であるが、低空飛行時の距離が伸び、また高度もさらに低くなった[4]。ミサイルは通常、8発で「狼群」を構成しており、発射時にリーダー弾が割り振られる。リーダー弾は比較的高い高度(高度5,000メートル以下)を飛翔してパッシブ・センサで索敵し、低高度(高度40-50メートル)を飛翔する他のミサイルに対しデータリンクで目標情報を伝達することになっており、これが撃墜された場合は順次に別のミサイルが交代する。空母機動部隊などを攻撃する際には、リーダー弾により、核搭載弾がもっとも大きな目標に、それ以外のミサイルがその護衛艦に指向されることになっていた。艦上には、衛星と艦との情報交換を含む「コルヴェット」情報処理装置および「アルゴン」攻撃指揮装置が配されており、攻撃計画の策定や誘導情報の入力に用いられた。またその長射程を活かすため、Tu-95RTs偵察機やレーダー基地をセンサーとしたC4ISRシステムである「ウスペク」が配備されており、後には偵察衛星を利用した17K114「レゲンダ」も併用された[3]。
初の搭載例は675型潜水艦(エコー2型)であり、1976年から1984年にかけて、同級の内9隻が、その運用に対応した675MK型として改装された。ただしこの時点では、発射時には浮上しなければならなかったため、戦術的な価値は高くなかった[4]。その後、1143型重航空巡洋艦(キエフ級)と1164型ミサイル巡洋艦(スラヴァ級)にも配備され、水上艦からも運用されるようになった[2]。
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P-500の模擬弾
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P-500の連装発射筒
P-1000
P-500にはさらに性能向上の余地があると判断されたことから、1979年5月より、その発展型としてP-1000「ヴルカーン」の開発が開始された[2]。これは主として射程の延伸を重視したものであり、各部をチタン合金製として軽量化し、また発射ブースターの出力も増強された。これにより、最大射程は1,000 kmまで延伸されたものの、既存の発射機では強化型ブースターの噴射に耐えられず破損する恐れが指摘されたことから、まず改良型弾体にP-500のブースターを組み合わせたP-1000漸進型(射程700km)が配備された後、順次に発射機を強化して、正規のP-1000に置き換えられることとなった[3]。外見上、P-500が弾体中央下部に左右分割型の空気取り入れ口を持つのに対し、P-1000はショックコーンの付いた一体型の空気取り入れ口を持つことで区別できる。
1983年よりネノクサ実験所で地上発射試験が開始され、同年12月には675型K-1からの洋上発射試験が行われた。1985年6月までに行われた18回の発射試験のうち10回で成功を記録し、1987年10月、海軍に正式に引き渡された。まず675MK型潜水艦3隻(K-22, 34, 35)がP-1000対応改修を受け、675MKV型となった。K-10も同改修に着手したものの、予算不足から未成となった。水上艦では、まず、スラヴァ級巡洋艦3番艦「ヴァリャーク」が1989年の就役時から搭載し、それ以前に建造された艦についても、1番艦「モスクワ」は1998年、2番艦「マーシャル・ウスチノフ」も1997年にP-1000型に換装した[3]。
搭載艦艇
脚注
注釈
出典
- ^ Norman Friedman (1997). The Naval Institute guide to world naval weapon systems 1997-1998. Naval Institute Press. pp. 241-242. ISBN 9781557502681
- ^ a b c d Polutov Andrey V.「ソ連/ロシア巡洋艦建造史(第16回)」『世界の艦船』第708号、海人社、2009年7月、112-115頁、 NAID 40016685800。
- ^ a b c d Polutov Andrey V.「ソ連/ロシア巡洋艦建造史(第17回)」『世界の艦船』第710号、海人社、2009年8月、110-115頁、 NAID 40016731924。
- ^ a b c Polutov Andrey V.「ソ連/ロシア原潜建造史(10)」『世界の艦船』第614号、海人社、2003年8月、114-119頁、 NAID 40005855331。
外部リンク
- MARITIME STRIKE The Soviet Perspective
- Russian/Sovjet P-500 Bazalt Page (with photos)
- Russian/Sovjet Sea-based Anti-Ship Missiles
関連項目
P-500
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88鍵AE鍵盤。AWM音源、最大同時発音数32音、音色数11。リバーブ×16、モジュレーション×10、その他エフェクト×12。ボイスを含め、エフェクト、MIDI設定などのセッティング一式をまとめたパフォーマンスを32種類内蔵。そのパフォーマンスを順番に並べたチェーンを16種類内蔵。ピアノの共鳴弦を再現するサウンドボード、スペシャルリバーブ搭載。バランス型XLR端子、専用スタンドもついている。スピーカーは内蔵していない。750,000円(税抜)という価格設定で最高級モデルとして発売された。
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