50代目アメリカ合衆国内務長官
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/18 01:49 UTC 版)
「ケネス・リー・サラザール」の記事における「50代目アメリカ合衆国内務長官」の解説
2008年12月17日にバラク・オバマ次期大統領はサラザールを次期政権におけるアメリカ合衆国内務長官に指名したと発表した。サラザールの指名承認に際しては、議会がサクスビー・フィックスの適用を要求した。連邦議会は2009年1月7日に内務長官職の報酬額引き下げに関する法案 S.J.Res. 3 を承認し、続いてジョージ・W・ブッシュ大統領がそれに署名を行った。アメリカ合衆国憲法は連邦議会議員をその議員の報酬額が増えるような役職に、その議員の任期終了前に任命することを禁じている。だがこの法律の可決により、オバマ次期大統領はサラザールを次期政権でアメリカ合衆国内務長官に任命することが可能となった。 サラザールのアメリカ合衆国内務長官指名に際しては、環境保護団体から複雑な反応を示された。かつてサラザールはジョージ・W・ブッシュ政権時代にアメリカ連邦上院議員としてゲイル・ノートンのアメリカ合衆国内務長官指名を支持したことがあった。だがその後、ノートンはジョージ・W・ブッシュ政権で論議を招いた最初の閣僚となった。加えてサラザールはノートンの後任としてコロラド州司法長官を務めた経験も持つことから、サラザールはノートンに近い価値観を持つ人物とも目された。最終的にサラザールは、オバマ大統領就任と同日の2009年1月20日に連邦上院で発声投票による満場一致の承認を受け、同日に内務長官に就任した。 サラザールはアメリカ合衆国内務長官として国立公園局・土地管理局・魚類野生生物局・地質調査所・インディアン保護局、その他の内務省の監督下の連邦機関について責任を負った。オバマ政権におけるヒスパニックの閣僚は、サラザール内務長官とソリス農務長官の2人であった。サラザールはヒスパニックのアメリカ合衆国内務長官としてはマニュエル・ルーハンに続いて歴代2人目であった。 サラザールは石炭・採鉱業界と強いつながりがあったことから、主な自然保護団体はサラザールに強い注目を向けた。絶滅危惧種の追跡調査や生物の生息環境調査を行っている生物多様性センターの所長キーラン・サックリングは、サラザールについて「地球温暖化や燃料効率、絶滅危惧種の問題と対立する工業や大規模農業を支持する傾向のある、中道右派の民主党員」と言及した。 自然保護有権者同盟のジーン・カルピンスキー会長はサラザールの内務長官就任を歓迎した。カルピンスキーはサラザールの内務長官指名に際して、次のように述べた。 サラザール上院議員は選挙運動において、「私たちの土地、私たちの水、私たちの人々」という私たちのスローガンを支持すると公約してくれました。2008年の自然保護有権者同盟のスコアカードでは、サラザール上院議員の投票行動は100点満点でした。彼は公約を守ってくれました。サラザール上院議員は西部の人間として、土地や水の問題を経験として存じ上げてくれています。内務省はアメリカの公共環境資源の庇護者です。サラザールはその内務省の役割を再び甦らせてくれるでしょう。私たちは将来のアメリカの土地、水、そして人々の健康を守るため、彼とともに働けることを楽しみにしています。 共和党上院議員はサラザールについて、オイルシェールの開発や環境保護指定区域での採掘などの姿勢に疑問が投げかけられるだろうと予測していた。だがサラザールはオバマ大統領就任直後に、アメリカ上院での発声投票で満場一致の承認を受けた。ダーク・ケンプソーン前内務長官はサラザールの就任について、賞賛の辞を述べた。 サラザールはアメリカ合衆国内務長官就任に伴い、アメリカ連邦上院議員を辞任した。サラザールの任期は2011年1月まで残っていたため、コロラド州のビル・リッター州知事は後任としてデンバー市のマイケル・ベネット教育長を指名した。 2009年1月23日にサラザールはニューヨークの自由の女神像の王冠部分への一般立ち入りを再開したいという考えを表明した。王冠部分への立ち入りは2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件以降禁止となっていたが、サラザールは「道が開けることを願っている」と述べ、「自由の光へ通じる道が開放されることを、全世界に向けて宣言する――比喩的な意味においても、文字通りの意味においても」との声明を発表した。 2009年3月6日にサラザールはロッキー山脈北部に生息するハイイロオオカミを絶滅危惧リストから外すとする魚類野生生物局の決定を承認した。ただしリストから除外するのはモンタナ州およびアイダホ州の2州で、ワイオミング州はそのままリストに残すとした。サラザールはこの根拠として、ロッキー山脈北部におけるハイイロオオカミの個体数増加目標が3年連続で達成されていることを挙げた。
※この「50代目アメリカ合衆国内務長官」の解説は、「ケネス・リー・サラザール」の解説の一部です。
「50代目アメリカ合衆国内務長官」を含む「ケネス・リー・サラザール」の記事については、「ケネス・リー・サラザール」の概要を参照ください。
- 50代目アメリカ合衆国内務長官のページへのリンク