5月上旬 - 中旬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 06:33 UTC 版)
「2010年のエイヤフィヤトラヨークトルの噴火」の記事における「5月上旬 - 中旬」の解説
氷河からの融雪氷水の流出量は2010年4月30日から増加した。また5月2日までの数日間に、火山は爆発段階から溶岩生成段階へ変化し、噴煙柱はより暗く、濃くなって広がった。また火山周辺でのテフラ降下物も増加した。溶岩は噴火地域の3km以上北から氷河の周縁部を越えてさらに流れる可能性があった。爆発的活動も増し、噴火地域の南東40kmにまで爆発音を轟かせた。噴煙柱は高度4–5.4 km (13,000–18,000 ft)に至り噴火地域から200km離れたところからも見えた。 2010年5月3日、再噴火に至った。風は東南方向へ吹いて灰雲を押し戻し、イギリスに新たな交通混乱の恐れを生じさせた。翌日にはアイルランドでの航空運行にも影響が出てきた。 2010年5月5日には噴煙は6,000mに達し、ジェット気流に乗ってスペイン方面に向かった。2010年5月6日、IMOは、火山が溶岩を噴出する状態からより多くの火山灰を噴出する状態に戻り、活動が新しい段階に入ったと発表した。噴煙柱はIMOの気象レーダー観測によると海面からの(en)高さ5.5–6.5 km (18,000–21,000 ft)となり、9 km (30,000 ft) を超える高度に達した。2010年5月3日から増加していた地震活動は、「新しい」マグマがマグマの通り道に押し入っていることを示した。 5月7日から8日にかけての火山活動は5月6日に比べると爆発が減少したものの、まだ強い爆発段階にあった。南アイスランドでは、広範囲にわたって火山灰が降ったため学校が閉鎖された。アイスランド環境庁は去る2010年5月6日にアイスランドでこれまで最も多く火山灰降下が測量されたとして大気汚染の警告を出し、健康保護限界を超えたとした。結果的に、降灰にさらされる地域に住んでいる人々は、彼らの家に留まるよう指示された。 5月9日、火山灰の雲はアイスランドから1,200マイル(2,000キロメートル)に広がって北スペインにまで及び、大西洋を渡る航空便の発着を延期させた。ヨーロッパにおける航空交通は、アイルランド、スペイン、フランスとポルトガルを含む数カ国で、2010年5月8日から9日の週末まで混乱した。 5月13日の16:00(UTC)ごろに4回の地震がエイヤフィヤトラヨークトルの地下で測定されたが、それらはいずれも浅い深度で発生していた。5月14日までは噴火の勢いや火山灰の高さにはさしたる変化は見られなかった。 5月17日は、前日から灰雲が南東方向へ流れ続けていることにより、CAAがイギリス国内の複数の空港を01:00から07:00(BST)まで飛行禁止空域に設定せざるを得なくなった。その後、07:00から13:00(BST)まで、イギリスの一部の空港がなおも飛行禁止空域に設定されていた。アイスランド国内においては灰のかなりの量が近隣の集落に降り、これがしばらく続くこととなった。 5月18日、火山灰は、Gnúpverjahreppur地域、Hrauneyjarとアイスランドの北東から東の地域(南のThingeyjarsýslaからLaugarのSeydisfjordurにかけて)に降った。より高濃度のエアロゾルが、地域の上空に漂っている火山灰によって、正午ごろにレイキャビクで記録された。 5月19日、灰雲の高さは5–6 km (16,000–20,000 ft)となり、南風によって南西方向に54–64 km/h (34–40 mph)伸びた。レーダー観測によると灰雲は北東寄りの北へ曲がった。火山灰は南部のFlúðir、FljótshlíðとRangárþing ytriに降り、北のHúsavíkとSkagafjörðurでは雨と一緒に降った。雨量がより増したことからエイヤフィヤトラヨークトルからの川は増水した。そして、2-3平方kmの地域からの灰を巻き込み、Svaðbæli川で泥流となった。そしてマルカルフリョゥト(英語版)川にかかる古い橋付近において、4月15日以来の最も激しい流出量の原因となった。 5月20日になると、エイヤフィヤトラヨークトル周辺の川の流水量は、前日の雨量に起因して増加した後に減少した。噴火活動と様々な火山灰の降下の変動がなおも予想されている。 2010年5月21日には火山活動が落ち着き、溶岩流、降灰、落雷とも観測されなかった。
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