魚雷の種類と直径
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 08:07 UTC 版)
現代の魚雷は目的により大きく2種類に分類される。一つは主として対艦攻撃用の大型・長射程の魚雷であり、長魚雷(重魚雷)と呼ばれる。もう一つは対潜水艦攻撃用の小型・短射程の魚雷であり、短魚雷(軽魚雷)と呼ばれる。対艦ミサイルの発達により長魚雷は数を減らしており、潜水艦搭載用の一部を除き水上艦用のものはすでに用いられていない。短魚雷が現代の魚雷の主流であり、水上艦・航空機などに搭載される。短魚雷は誘導兵器であり、誘導魚雷を指して短魚雷と呼ぶ場合もある。 魚雷の直径は、内部容積の大きさに直結し射程や炸薬重量に影響があるので、砲の口径同様に重要である。魚雷の直径は砲ほどではないが魚雷のクラス分けにも用いられる。全長、重量、その他の要素は相互に影響される。航空機発射型魚雷の場合重量が重要であり、装着点や発射速度に影響がある。近年の魚雷設計において補助魚雷は盛んに開発されていて、通常は集合型パッケージが使用される。飛行機と発射装置のバージョンによって異なるものになる。形状は標準化と扱いやすさと運搬に主眼が置かれ、兵器体系の効率化が図られる。運搬の効率化が実行されると運用上有利になる。 いくつかの一般的な魚雷の直径は以下のとおりである。: 324 mm(12.75 インチ )は最も一般的な短魚雷である。 406 mm(16 インチ)はソビエト連邦の初期のASW魚雷に使用された。エコー級と初期のデルタ級潜水艦に搭載、21インチ魚雷発射管に付加された。 450 mm(17.7 インチ)は旧日本海軍において標準だったほか、第2次世界大戦中のイタリア海軍でも使用された。また、雷撃機で使用された。ときどき、18インチと換装された。 483 mm(19 インチ)は最初にアメリカ海軍の誘導魚雷であるMark 24 FIDO 魚雷(en:Mark 24 Mine)で採用されたほか、Mk.27魚雷(英語版)やMk.32魚雷、Mk.37魚雷でも用いられたが、現在ではすべて退役している。 533 mm(21 インチ)は第二次世界大戦における重魚雷の標準的なサイズであった。以下のものが含まれる:第二次世界大戦時の魚雷 旧日本海軍の潜水艦 ドイツ海軍の魚雷(G7a / G7e) NATOの魚雷 いくつかのソ連とロシアの魚雷、ASW型も含む。 550 mm(22 インチ)は、フランス海軍で使用される規格である。 610 mm(24 インチ)九三式魚雷(酸素魚雷)は旧日本海軍の駆逐艦と巡洋艦で使用され、人間魚雷回天の原型にもなった。 650 mm(およそ25.6 インチ)はロシア連邦海軍最大の魚雷の直径である。タイプ65魚雷が代表的な形式である。533mm型が650mm発射管に増設される。 他に直径の大きな魚雷としては660 mm(26 インチ)、762 mm(30 インチ)と916 mm(約 36 インチ)があり、複数の原子力潜水艦に搭載される。これらの魚雷発射管は大口径なので、スタンダード21型重魚雷だけでなく巡航ミサイルの発射にも対応できる。有人特攻魚雷回天はφ1m級(上部に搭乗ハッチ部や潜望鏡などが突き出していた)。更に巨大な、ロシアで開発中の原子力推進核魚雷(ドローンとも)ポセイドン (原子力潜水ドローン)(ロシア語版)の外径は、1.6-2mに達するとする説がある。
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