食用キノコの例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 02:47 UTC 版)
日本では1985年の記載で、約300種が食用にされ、うち十数種が人為的に栽培されている。 シイタケ、エノキタケ、シメジ類、マイタケ、ナメコ、ツクリタケ(マッシュルーム)のように、非常によく食べられており、栽培も行なわれている食用キノコがある。最近では、エリンギやヤマブシタケの栽培も増えている[いつ?]。また、マツタケのように、人工栽培には成功していないが、大量に輸入されていたり、トリュフのように高価で珍重されるキノコもある。キヌガサタケは高級な中国料理の材料として扱われていたが、すでに中国で栽培されている。菌床栽培された食用キノコを洗いすぎると吸水し水っぽくなったり栄養や旨みが失われるため、洗いすぎず食べることが肝心。 食用キノコにはビタミンB2を含むものが多いが、同一の種でも生育環境(栽培条件)により栄養成分の含有量は大きく異なる、そのため収穫後の子実体への効果を期待し様々な成分の添加が研究されている。また、シイタケには呈味性ヌクレオチドであるグアニル酸が含まれ、だしを取るのに利用されている。キノコの旨み成分の多くは加熱により増えるため、ほとんどのキノコは生で食べても旨みは感じられない。 従来から、可食種とされているクリタケ、ナラタケ、エノキタケ、シイタケでは加熱が不十分な場合、中毒症状を起こすおそれがある。また、体質によっては消化不良を起こし、下痢をする場合がある。さらに、コウジタケ、アイタケ、ホテイシメジでは、ビタミンB1を破壊する作用が報告 されており、調理方法には注意が必要である。食用となるキノコの一覧は後の「#種類」を参照のこと。 エノキタケでは溶血作用のある蛋白質のフラムトキシンなどを含有する。 シイタケでは生や加熱不十分な物を食べてしいたけ皮膚炎を発症。 スギヒラタケでは腎機能障害を有する場合に脳炎症状を発症するとされていたが、現在は毒キノコであるとみられている。「スギヒラタケ」も参照 一方、ハタケシメジ、マイタケなどでは有効とされる成分を抽出し、健康食品として販売されている例があり、さらにはカワリハラタケ(アガリクス)がβ-グルカンなどを豊富に含む健康食品として販売されているが、これらは副作用被害も報告されている。 ただし、これらキノコの薬理作用については、その有効成分などを含めて不明な点が多い。健康食品として販売されるキノコ加工品の中には、癌などの難治性疾患が治るという宣伝文句が付けられている場合があるが、医学的にその安全性が確認されかつ有効性が立証されているものは未だなく、かつ日本では医薬品として登録されていないものの薬効をうたうことは医薬品医療機器等法違反となる。 主な食用きのこ学名和名・一般的な名称画像人工栽培分布Agaricus bisporus ツクリタケマッシュルーム 実用 北半球の温帯に分布。 Boletus edulis ヤマドリタケポルチーニ 未実用 北半球の亜高山帯や亜寒帯の主にトウヒ林に分布。夏~秋に子実体形成。 Cantharellus cibarius アンズタケジロール 未実用 北半球の温帯に分布。夏~秋に子実体形成。 Lentinula edodes シイタケ 実用 環太平洋の温帯~亜熱帯のブナ科の枯れ木に分布。春~秋に子実体形成。 Morchella esculenta アミガサタケモレル 実用 北半球の温帯に分布。春に子実体形成。 Tricholoma matsutake マツタケ 未実用 北半球のアカマツ林に分布。秋に子実体形成。 Tuber spp. セイヨウショウロトリュフ 実用(菌床栽培不可) 北半球の亜寒帯から温帯に分布。夏~冬に子実体形成。 Volvariella volvacea フクロタケ 実用 世界の温帯~熱帯に分布。初夏~初冬に子実体形成。
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