食用キノコ栽培業
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/25 06:56 UTC 版)
シイタケは佐賀県、栃木県をはじめ全国で行われ、ナメコ、シメジ、エノキタケなどは長野県、新潟県などで個人経営の農家による小規模なものから、株式会社による大規模な生産も行われている。規模の差はあっても、生産技術的には同質である。 現代日本のキノコ栽培は、トリコデルマやアオカビなどの有害菌の影響を排除し収穫量と品質の安定と少人数での生産を可能にするため、培地 (原木や菌床)を高温滅菌し無菌室のような栽培室で育成するだけでなく、農産物でありながら全ての工程で機械化が進み工場と化している。前述の高温滅菌や温湿度を生育条件に合わせ適切に管理するためのエネルギーコストと、オガクズの価格上昇や、廃培地の処理コストの負担は大きく、売価の下落に伴い小規模な生産者や零細農家の廃業が増加している。種菌は、種菌を生産する専門業者からキノコの生産者に向け供給される。 培地に混ぜることでキノコの収穫量を高める増収剤は、増収剤を生産する専門業者からキノコの生産者に向け供給される。JAが供給する増収剤の中には成分分析結果を公表しない増収剤があり、JA信州諏訪ではJAが供給する増収剤に対して食品の安全性を明確にできないことが問題視される例もある。 従来は、堆肥原料として「おから」「家畜糞」「りんごジュース粕」などと共に利用されることが多かったが、堆肥以外への利用検討も進んでいる。JA中野市では、えのきたけの廃培地をマッシュルーム栽培に再利用 や、2007年には巨峰の促成栽培に使用する重油の代替燃料としての木質燃料化も行われ、実証試験で良好な結果を得ている。
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