食用ナマズ養殖
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 02:19 UTC 版)
国内 埼玉県では1970年代から水産試験場(農林総合研究センター水産研究所)が種苗生産と養殖の技術開発を行っているほか、茨城県でも養殖技術の開発が行われている。当初、ふ化後40 - 50日の稚魚期の共食いによる消耗が問題となったが、2000年代には共食いを抑制する給餌方法、飼育密度、飼育条件を見いだし、安定した種苗生産が行える様になった。育成された稚魚は養殖業者によって育成される他、霞ヶ浦や印旛沼など自然の水系に放流され漁獲後、市場出荷されている。西日本にては和歌山県新宮市内にても養殖が実施されている。 また、近畿大学がマナマズの養殖方法を工夫することによって、食味をウナギの味に近付けた「ウナギ味のナマズ」の養殖研究を行なっている。食味の調整として「餌のコントロール」と「水質のコントロール」の2点が重要であることを特定し、それらのコントロール方法を開発した。ウナギは天然種が絶滅の危機にありながら、養殖技術も確立されていないため、近い将来一般の人は食べる事すら出来なくなることが懸念されているが、この研究が商業化に発展すれば、代用としての養殖ナマズ食が普及する可能性もある。今後は直営の料理店「近畿大学水産研究所」や提携した料理店などで「ナマズの蒲焼き」のような形で不定期に客へ提供し、商業化を目指す。 海外 生産量1位である中国、2位ベトナムなどメコン川周辺地域、バングラデシュ、アフリカ、アメリカなどで大量に養殖されている。消費地としては1位がヨーロッパ、2位がアメリカでヒスパニック人口増とファーストフードなどで食用にされた。 ナマズ戦争 2002年、ベトナム産の安価なナマズ(チャー、バサ)が米国に輸入されたことについてアラバマ州などのナマズ養殖業者協会がダンピングであると指摘、2003年8月に認定され、アメリカ商務省によってセーフガードとして関税が適用された。その後も8回にわたりほぼ毎年定期的に見直して税率を上げ、ベトナム水産物輸出加工協会は同国側の生産者に悪影響を与えていると指摘している。一連の動きを俗にナマズ戦争、米越ナマズ戦争と言われる[要検証 – ノート]。
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