非形式的概説とは? わかりやすく解説

非形式的概説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/29 01:54 UTC 版)

離散コサイン変換」の記事における「非形式的概説」の解説

フーリエ変換やそれに類似の変換(以下、類フーリエ変換とよぶ)のように、離散コサイン変換 (DCT) も関数あるいは信号異な周波数振幅をもつ三角関数の和として表現するまた、DCTは、離散フーリエ変換 (DFT) と同じく離散的なデータからなる有限関数に対して施される一見してそれとわかるDCTDFTとの違いDCTコサイン余弦関数のみを使うのに対してDFTコサインサイン正弦関数両方を(複素数指数関数形式で)使うという点である。しかし、この見かけ違いはもっと本質的な違い帰結しかない。すなわち、DCTDFTあるいは他の関連する変換境界条件において異なっているということである。 有限定義域をもつ関数施されるフーリエ変換、すなわちDFTDCTフーリエ級数は、暗黙のうちにその定義域外部関数を「拡張」して定義しているのだと考えることができる。つまり、ある関数 f(x) を一旦三角関数の和として表現してしまうと、任意の x に対し、それがたとえ元の関数 f(x)定義されていない x であったとしても、その x におけるその三関数の和を計算できるDFTフーリエ級数では元の関数周期的な拡張なされていると考えることができる。DCTでは、(離散的でない)コサイン変換同様に、元の関数偶関数拡張することを意味するしかしながらDCTは「有限」で「離散的」な数列に対して施されるのであるから、連続コサイン変換にはない2つ微妙な問題引き起こされる。まず、有限の点で定義され関数定義域左端右端(すなわち最小添字最大添字)とをもつので、その両方それぞれで偶対称であるか奇対称であるかを指定しなければならない次に関数の定義域は離散的であるので、どの位に関して関数が偶/奇対称であるのかを指定しなければならない例えば、abcd という均等に離れた4つの点の列を考えてみよう。そして例えば、左の境界で偶対称であると指定したとしよう。このときどの位置で対称なのかという微妙な相違生ずる。すなわち、データは点 a に関して対称であって偶関数への拡張は dcbabcd なのだろうか、それともデータは a とその前の点との中間に関して対称であって拡張は dcbaabcd であるのか(a が繰り返すのか)? これら2重の選択が、DCT離散サイン変換 (DST) との標準的なさまざまな変種すべてを生じさせることになる。各々境界は偶対称であるか奇対称であるかどちらかであることができ(これは2つ境界それぞれに2つ選択肢与える)、さらに、各々境界であるデータに関して対称か、2つデータ点の中間に関して対称どちらかであることができる(同様に、これは2つ境界それぞれに2つ選択肢与える)。結局2 × 2 × 2 × 2 = 16 種類選択肢がある。これらの選択肢のうち左の境界が偶対称であるものがDCTとよばれ、選択肢半分8つタイプ対応する残り半分DST8つタイプとなる。 これらは境界条件異なるだけで施される変換はすべて離散フーリエ変換であるが、これらの違い変換応用する際にその用途強く影響しさまざまなDCT変種に対してそれぞれに有用な特性与えている。最も直接的には、偏微分方程式スペクトル法で解くために類フーリエ変換用いるとき、境界条件は解かせることになる問題一部として直接指定される。あるいはまた、DCTタイプIV基づいている)修正離散コサイン変換 (modified DCT, MDCT) に対しては、境界条件MDCT本質的な特性である時間領域エイリアシング消去に密接に関係している。もっと微妙なあり方ながら、境界任意のフーリエ級数において収束速さ影響しているので、境界条件画像音声圧縮に対してDCT有用なものとしているいわゆる「エネルギー圧縮」の特性与え原因となっている。 特に、関数不連続性があればフーリエ級数の収束率(英語版)を減少させることはよく知られている。同じ原理信号圧縮に対してフーリエ変換有用性決定している。よりなめらかな関数はそれをより正確に表すために必要となるDFTDCT係数がより少なくてすみ、より圧縮できることになる(ここで、「なめらかさ」について語るためにDFTDCTそれぞれ関数フーリエ級数コサイン級数近似だとみなしている)。しかし、DFTがもつ非明示的な周期性境界において通常不連続性作り出すことを意味する任意に選んだ信号断片において左と右の境界の値が共に同じ値を持つということはめったに起こることではない。対照的に、「両方」の境界が「常に」偶対称であるDCTはこれらの境界において連続した拡張与える(ただし一般にはその傾き不連続である)。これがなぜDCTが、とりわけ両方境界が偶対称である)DCTタイプ I, II, V, VI一般にDFTよりも信号圧縮でよい成績収めるのかという理由である。応用上は、こうした用途には一部には計算容易さからDCT-IIが最も好まれている。

※この「非形式的概説」の解説は、「離散コサイン変換」の解説の一部です。
「非形式的概説」を含む「離散コサイン変換」の記事については、「離散コサイン変換」の概要を参照ください。

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