フーリエ級数の収束
フーリエ級数の収束
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/19 03:25 UTC 版)
「アーベル総和法」の記事における「フーリエ級数の収束」の解説
アーベル総和法はフーリエ級数の収束の議論に応用される。f(x) を長さ L=b −a の有界区間 (a, b) で定義されたリーマン積分可能な複素数値関数で、かつ f(a)=f(b) を満たす周期関数とする。このとき、f(x) は次の形のフーリエ級数展開を持つ。 f ( x ) ∼ ∑ n = − ∞ ∞ f n ^ e 2 n π i x / L {\displaystyle f(x)\sim \sum _{n=-\infty }^{\infty }{\hat {f_{n}}}e^{2n\pi ix/L}} f n ^ = 1 L ∫ a b f ( x ) e − 2 n π i x / L d x {\displaystyle {\hat {f_{n}}}={\frac {1}{L}}\int _{a}^{b}f(x)e^{-2n\pi ix/L}dx} 第一式の右辺におけるフーリエ級数が意味を持つために収束性を考える必要がある。この級数はアーベル総和可能であり、f(x) が連続となる点においてf(x) に収束する。特に f(x) が連続関数であれば、フーリエ級数はアーベル総和の意味で一様収束する。すなわち、 A r ( x ) = ∑ n = − ∞ ∞ r | n | f n ^ e 2 n π i x / L {\displaystyle A_{r}(x)=\sum _{n=-\infty }^{\infty }r^{|n|}{\hat {f_{n}}}e^{2n\pi ix/L}} を導入すると、この級数は 0 ≤ r <1 で収束し、かつ f(x) が連続となる点で左極限 r → 1 − は f(x) に一致する。この結果の議論はポアソン核 P r ( x ) = ∑ n = − ∞ ∞ r | n | e 2 n π i x / L {\displaystyle P_{r}(x)=\sum _{n=-\infty }^{\infty }r^{|n|}e^{2n\pi ix/L}} の性質に基づく。 (a, b) 上で可積分な関数g(x)、h(x) に対して、畳み込み積分を g ∗ h ( x ) = 1 L ∫ a b g ( y ) h ( x − y ) d y {\displaystyle g*h(x)={\frac {1}{L}}\int _{a}^{b}g(y)h(x-y)dy} で定義すると、 f ∗ P r ( x ) = A r ( x ) {\displaystyle f*P_{r}(x)=A_{r}(x)} であり、総和核としてのポアソン核の性質から上述のアーベル総和に関する収束性が示される。
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