各点収束とは? わかりやすく解説

各点収束

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/25 10:13 UTC 版)

数学において、各点収束 (: pointwise convergence) は、関数収束の概念の1つである[1][2]

定義

{ fn } を定義域終域の等しい関数の列とする。(さしあたり終域は指定しないが実数と考えてもらってよい。)列 { fn } が f各点収束する (converge pointwise) とは、定義域のすべての点 x に対して

が成り立つことをいう。

と書くことがある。

論理記号で書けば、

  

となる。

性質

この概念はしばしば一様収束 (uniform convergent) と比較される。

とは

を意味する。一様収束は各点収束よりも強いものである。つまり、一様収束列は同じ極限関数への各点収束列であるのだが、一様収束しない各点収束列が存在する。例えば、半開区間 [0, 1) において、 に各点収束するが、これは一様収束ではない。

連続関数列の極限関数が連続とは限らないが、一様収束であれば連続である。例えば、

x が整数のとき 1 でそうでないとき 0 を取り、すべての整数で不連続である。

関数 fn の値は実数でなくてもよく、各点収束の概念が意味を持つためには、位相空間であればよい。一方、一様収束は、一般の位相空間に値を取る関数に対しては意味をなさないが、距離空間や、より一般に一様空間であれば意味を持つ。

位相

各点収束は空間 YX 上の積位相における収束と同じである。ここで X は始域で Y は終域である。終域 Yコンパクトであれば、チコノフの定理より、空間 YX もコンパクトである。

ほとんどいたるところ収束

測度論では可測空間上定義された可測関数列についてほとんどいたるところ収束するというものがある。これはほとんどいたるところ英語版各点収束することを意味する。エゴロフの定理英語版は、測度有限の集合上ほとんどいたるところ各点収束する列はそれよりわずかに小さい集合上一様収束するという定理である。

関連項目

参考文献

  1. ^ Rudin, Walter (1976). Principles of Mathematical Analysis. McGraw-Hill. ISBN 0-07-054235-X 
  2. ^ Munkres, James R. (2000). Topology (2nd ed.). Prentice Hall. ISBN 0-13-181629-2 

各点収束

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/24 03:03 UTC 版)

ファトゥの補題」の記事における「各点収束」の解説

上と同じ設定のもとで、関数列 f1, f2, . . . が S 上で μ に関してほとんど至る所関数 f へと各点収束するなら、 ∫ S f d μ ≤ liminf n → ∞ ∫ S f n d μ {\displaystyle \int _{S}f\,d\mu \leq \liminf _{n\to \infty }\int _{S}f_{n}\,d\mu \,} が成立する

※この「各点収束」の解説は、「ファトゥの補題」の解説の一部です。
「各点収束」を含む「ファトゥの補題」の記事については、「ファトゥの補題」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「各点収束」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「各点収束」の関連用語

各点収束のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



各点収束のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの各点収束 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのファトゥの補題 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS