フーリエ級数との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/27 10:21 UTC 版)
「ディリクレ核」の記事における「フーリエ級数との関係」の解説
ディリクレ核はフーリエ級数との関連において重要である。ディリクレ核 Dn と周期 2π の任意の函数 f との畳み込みは f の n-次のフーリエ級数近似となる。すなわち、 f ^ ( k ) = 1 2 π ∫ − π π f ( x ) e − i k x d x {\displaystyle {\hat {f}}(k)={\frac {1}{2\pi }}\int _{-\pi }^{\pi }f(x)e^{-ikx}\,dx} を f の k-次フーリエ係数として、 ( D n ∗ f ) ( x ) = 1 2 π ∫ − π π f ( y ) D n ( x − y ) d y = ∑ k = − n n f ^ ( k ) e i k x {\displaystyle (D_{n}*f)(x)={\frac {1}{2\pi }}\int _{-\pi }^{\pi }f(y)D_{n}(x-y)\,dy=\sum _{k=-n}^{n}{\hat {f}}(k)e^{ikx}} が成り立つ。このことは、フーリエ級数の収束性を調べるにはディリクレ核の性質を調べれば十分であることを示している。特に重要なのは、Dn の L1-ノルムが n → ∞ とする極限で無限大に発散するという事実である。この発散の度合いは ‖ D n ‖ L 1 ≈ log n {\displaystyle \|D_{n}\|_{L^{1}}\approx \log n} と評価することができる。ここで "≈" は「(増大度が)~の程度である」という意味である。フーリエ級数に対する発散現象の多くは、一様可積分性の欠如によるものである。たとえば、一様有界性原理とあわせれば連続函数のフーリエ級数が激しく各点収斂しない可能性が示せる(詳細はフーリエ級数の収束性(英語版)の項を参照)。
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