阿波の襖カラクリの習俗とは? わかりやすく解説

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阿波の襖カラクリの習俗

名称: 阿波の襖カラクリの習俗
ふりがな あわのふすまからくりのしゅうぞく
種別1: 風俗習慣
保護団体名:
選択年月日 1999.12.03(平成11.12.03)
都道府県(列記): 徳島県
市区町村(列記):
代表都道府県 徳島県
備考
解説文: 徳島県下の人芝居には、舞台奥に設けられ千畳敷などと呼ぶ高座組み込んだ襖を巧みに操作して舞台背景一瞬転換する演出広く用いられていた。こうした技法淡路人形座や栃木群馬県下など各地農村舞台にもみられるのであるが、特に阿波では人形芝居とは別にカラクリ独立した演目として行われ、この地方舞台設備機構大きな影響与えるなどの地域的特色示している。
 現在、徳島県下で定期的に公開されている襖カラクリは、徳島市八多町犬飼の舞台行われるものが代表的なものである。この舞台本手天井およびカラクリ場と奥千畳場に襖カラクリ機構設置され通常の舞台装置として段返しというカラクリができるようにしたうえに、後景用のカラクリ機構有する大仕掛けのものである犬飼の襖カラクリ八、九の手により、一三〇余の襖が四二景の景色動物・花・文様などに一瞬変化する。この技法には田楽引き分け引き抜き千鳥上昇切り落としなどがある。襖は明治時代京都などの絵師によって描かれものといわれ、泥絵の具用い小松島徳島紺屋製作したとの伝承が残る。
 また、那賀郡木沢村坂州の舞台には上段の手摺りの奥にカラクリ場があり、大臣柱挟んで前後取り付けられ二本敷居と、炉の奥縁に接して取り付けられ一本敷居および天井から吊した滑車などでカラクリ演じられる上の敷居天井固定され、下の敷居大臣柱組立式の利用し約一メートルの高さに設置される坂州カラクリは、三〇ほどの襖を七種類に使い分け一〇人前の裏方によって操られる大太鼓三味線、鉦、拍子木などの鳴り物合わせて引き分け回転見せ御簾巻き上げたりろうそく雰囲気高めながら、千畳敷大広間完成させる仕掛けである。
 那賀郡上那賀町川俣舞台拝宮舞台ほか数棟の舞台にもカラクリ機構がみられ、名西郡神山町では一一地区で襖が所有され、襖の総数一七二組一、四五数えるという。
 こうしたカラクリは、各地区が独自に襖を所有し人形芝居の上演ごとに地域住民自らが操作し、その華麗さ競い合うものであった
 本件は、阿波農村舞台特質を示すものであり、昨年指定され重要有形民俗文化財犬飼の舞台坂州の舞台特質理解するためにも貴重な習俗である。
風俗習慣のほかの用語一覧
社会生活(民俗知識):  烏喰の行事  蔓橋の製作工程  貫前神社の鹿占習俗  阿波の襖カラクリの習俗  高岡の小豆焼き行事
祭礼(信仰):  おしらあそび  お枡廻しの習俗


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