高岡の小豆焼き行事
名称: | 高岡の小豆焼き行事 |
ふりがな: | たかおかのあずきやきぎょうじ |
種別1: | 風俗習慣 |
保護団体名: | 高岡区 |
選択年月日: | 1996.11.28(平成8.11.28) |
都道府県(列記): | 長野県 |
市区町村(列記): | 長野市若穂町保科高岡区 |
代表都道府県: | 長野県 |
備考: | 所在地が同一都道府県内にあるもの(このデータは種別1から移行している) |
解説文: | わが国では、年頭にあたって、豆の焼け具合や竹や茅の筒への小豆粥の詰まり具合などで、その年の天候や農作物の豊凶などを占う行事が各地で行われている。 高岡では、小正月の火祭りであるドンドン焼きに引き続いて、農作物の豊凶などを占う小豆焼き行事を行う。 行事の前日、各家ではドウロクジンサン(道祖神像)をヌルデの木でつくって神棚に安置する。十五日の朝、餅花の一種であるモノヅクリをつくり、広場に門松・注連縄【しめなわ】・達磨【だるま】・古護符・書き初め等を持ち寄り、ドンドン焼きの準備をする。夕方、道祖神像を集落内に五基ある道祖神碑に供えて、モノヅクリや餅を持って広場に集まる。大小二基のドンドン焼きをして、その残り火で餅やモノヅクリを焼いて食べる。 以前は前年に祝い事(祝言や新築)のあった家に集まり、小豆焼きを行っていたが、現在は高松公民館で実施している。四人の親方衆の話し合いによって、カシラヤク(頭屋役)二人・中継一人・記録係二人を決める。囲炉裏の火にカワラケ(鉄製灯明皿)をのせて加熱する。カワラケの上の灰を長い火吹き竹で吹き払い、「ドウロクジンさん、ドウロクジンさん、ご機嫌よかったらくるりと回らっしゃい」と唱えながら、カワラケの中に一粒ずつつまんで入れる。焼けた小豆の動き等で、組内や世の中、稲・麦・豆類・雑穀・野菜・蚕・桑等の作柄を占い、記録係がその結果を記録する。その後、日待ち料理で酒宴となり、宴半ばで手締めを行い、今年の当番から翌年の当番にオトワタシ(頭渡し)の献杯が行われる。 現在、地域社会や家庭における作占いの行事が急速に衰退しているところであるが、高岡の小豆焼き行事は地域社会による特色ある作占い行事として今なお行われており、民俗知識にかかわる行事として、早急な記録作成が望まれるものである。 |
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