銃器のプロップ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 07:10 UTC 版)
日本の映像業界において撮影用もしくは舞台用に用いる銃「弾薬を用いて人や物の殺傷に用いることを目的としていない銃器」をプロップガン、またはステージガンと呼ぶ。 ハリウッドではプロップ用に改造した実銃[要説明]に空砲をこめて使用する場合が多く、架空の銃のプロップであっても実銃をベースに制作されることが多い。しかし、これらは高価で用意する数が多いと予算もかさみ、空砲とはいえ危険も伴うこと、またその重量から役者やスタッフが疲れる[要出典]ことから、発砲シーン以外では「ラバーガン」と呼ばれる発泡ウレタン樹脂など軟質素材で複製された軽いプロップガンの採用も少なくない。ラバーガンは柔らかく安全なため、人を殴る演技などでも使用される。 近年は日本製のモデルガンやエアーガンが使用される例も増えており、映画『ロボコップ』では、第1作にはベレッタM93Rを改造して専用のプロップを制作・利用したが、日本の玩具メーカーの発売していたロボコップ専用銃「オート9」モデルの仕上がりがあまりに優れており、さらに映画用プロップよりも遥かに扱いやすい点から、2作目以降(同テレビシリーズを含む)、発砲の無いシーンでは主にこれを利用していたという逸話もある[要出典]。 このほか演出のために、映画『プレデター』では航空機や車両に搭載されるM134ミニガンを大幅に軽量化して手持ち火器に改造して登場させるなど、実用兵器ではありえない使い方もしばしば画面に登場する。 なお、アメリカでもフルオートマチック式銃器(連射)の市販は認められていない[疑問点 – ノート]ため、映画撮影で使用されるフルオート銃器は、市販のセミオートマチック式銃器(単発)を改造してフルオート化した物が大半である(改造にはライセンスが必要[要出典])。 日本でも昔は実銃をプロップガンとして使用していた時代があったが[要出典]、その後、実銃の使用が困難になってからは、美術スタッフの製作した電着銃と呼ばれるプロップガンが主流になる。これは電気で発火する煙火でマズルフラッシュを再現するもので、美術スタッフの創意工夫で様々なものが制作されている。その後、市販モデルガンの性能が向上した頃には、モデルガンを調整することでリアルな排莢とマズルフラッシュを行うと言う、実銃ベースのプロップと変わらぬ視覚効果を生むプロップガンが制作されるに至っている。また、2010年代頃にはCG技術の発達に伴って撮影現場では市販品のままのエアーガンやガスガンを使用し編集段階でCGの合成により排莢や発火、弾着等を表現する事も行われるようになっている。 現代の市場には、モデルガンよりもエアーガンの方が種類が多く、市販のモデルガンにない機種はエアーガンをベースに電着銃を制作したり、様々なメカニズムで排莢機構を付け加えたりしたプロップガンも制作されている[要説明]。 ハリウッドでも、空砲によるプロップガンであっても扱いによっては危険なケースもあり、「セーフティーブランク」と呼ばれる電着銃と同じ原理の火薬を用いたノンガンと呼ばれる撮影方法も使われるようになった。ブルース・リーの息子ブランドン・リーの事故以来、ノンガンは注目されるようになる。日本では昔から常識的に使われてきた技術にもかかわらず、初めてノンガンが使用された際には「アカデミー技術賞」が与えられ、特許までとられている。 詳細は「プロップガン」および「ステージガン」を参照
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