ラバーガン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 01:57 UTC 版)
映画の撮影などで、俳優がアクションシーンを演じる際、手に持った銃を放り投げたり、グリップで相手を殴るような演出が必要とされる場合に使われる、合成樹脂(「ゴム製」と称されることが多いが、ゴムではなく硬質ウレタン)のステージガンである。前述のような演出を行う場合、通常のプロップガンを使用すると貴重なプロップガンを破損させたり演者を死傷させたりする可能性があるため、安全上の理由により使用される。 このラバーガンが使用されるシーンは基本的に動きが速く、銃自体が注視されるようなシーンはほぼ皆無なので、基本的には非常に粗い作り(一見して銃に見えれば良い)であるが、型取り複製の技術が向上してくると、刻印まで克明に複製・整形されたものも存在する。 基本的な製造法としては、元となるプロップガン(実銃を直接型取りする場合もある)をシリコンなどで型取りし、完成した型に樹脂を流し込み、硬化後に型から抜き、バリ等を落として整形し、必要に応じて塗装(木製のグリップや銃床部分などを表現する)して完成となる。 上述の映像撮影用の他に、各国の軍隊や警察などでは、基礎的な火器取り扱いや戦術行動、相手を武装解除する際などの銃を用いた格闘戦、川や海など水没し得る環境下での行動など、さまざまな訓練で実銃の代用品としても用いられている。これらの訓練用模擬銃は、実銃との区別のために青または赤の一色で着色(成形)されているため「ブルーガン(Blue Gun)」「レッドガン(Red Gun)」の別名がある(緑または黄緑色のものも存在する)。
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