金正日の台頭と6カ年計画の混乱とは? わかりやすく解説

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金正日の台頭と6カ年計画の混乱

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/25 09:35 UTC 版)

朝鮮民主主義人民共和国の経済史」の記事における「金正日の台頭と6カ年計画の混乱」の解説

1970年第一次7カ年計画当初の予定よりも3年延長した上で目標達成されたと発表された。1970年には朝鮮労働党第5回党大会が行われ、「唯一思想体系確立」が党大会採択され朝鮮労働党党規約明記され金日成絶対的権力が更に強化された。 1971年には6カ年計画スタートした。しかしこの6カ年計画1972年以降大きな計画変更なされることになる。計画変更大きな原因一つ韓国との南北対話開始であった1972年ニクソン大統領訪中など、東西陣営間の緊張緩和のきざしが見え始めた中、韓国北朝鮮南北対話開始し、「七・四共同声明」を発表した。その共同声明に至る話し合いの中で、北朝鮮代表団ソウル訪問し予想外韓国側経済発展驚き、6カ年計画当初にはなかった西側諸国からのプラント導入決定し大規模な工業地帯建設開始した。 6カ年計画当初計画からの変更にはもう一つ大きな原因があった。それは金正日後継者決定動きであった1960年代後半から金日成後継者として地歩を固めつつあった金正日は、1973年から1974年にかけて朝鮮労働党内で書記政治局員となっていった。金正日後継準備一環として生産現場に「思想技術文化」の三大革命起こすことを目的として「三大革命小組」を北朝鮮各地工場農場などに派遣した三大革命小組1975年以降三大革命赤旗獲得運動という大衆動員運動発展していった。 また1974年金正日大衆動員による増産運動である「七十戦闘」を指揮した七十戦闘は6カ年計画繰り上げ達成目指し思想宣伝活動によって大衆増産対す熱意掻き立てる運動であった1975年9月には、6カ年計画予定1年4ヶ月繰り上げて達成されたと発表された。 6カ年計画期間中に行われた西側からのプラント購入と、金正日経済への介入北朝鮮経済大きな禍根残した。まず西側諸国からのプラント導入は、折から第一次石油ショックによる世界経済不況によって、北朝鮮の主要外貨獲得商品であった非鉄金属価格下落しプラント代金支払えなくなるという事態を引き起こした。しかもせっかく導入したプラント生産され物資は、主に北朝鮮国内需要当てられ輸出分は少量にとどまりプラント自体生産能力当初見込みに及ばなかったため、導入したプラント活用によって外貨まかなうことも叶わなかった。結局1970年代北朝鮮対外債務多く返済されずに現在に至り北朝鮮国際的信用大きな傷を作った金正日指揮した三大革命小組七十戦闘は、経済現場大きな混乱もたらした生産現場派遣され三大革命小組実態かけ離れた指導行い現場大きな混乱招いた。また増産運動生産現場に無理を強いる結果となり、「成果」として報告される数字実態からかけ離れたものになっていった。 1975年繰り上げ達成発表された6カ年計画であったが、続く経済計画1978年になるまで開始されなかった。経済計画空白期間経済調整が行われたものと発表されており、6カ年計画当初からの経済計画変更大衆動員による無理な増産運動、そして石油ショック影響北朝鮮背負うこととなった対外債務問題など発生した経済混乱調整する必要があったのではないか推定されている。

※この「金正日の台頭と6カ年計画の混乱」の解説は、「朝鮮民主主義人民共和国の経済史」の解説の一部です。
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