金正恩体制による自由化
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「朝鮮民主主義人民共和国の経済史」の記事における「金正恩体制による自由化」の解説
2011年12月17日に金正日が死去すると、息子の金正恩が最高指導者の地位を継承した。金正恩体制は北朝鮮経済の改革による経済発展を目指しており、3代目として権力継承した後の2012年1月28日、金正恩は朝鮮労働党幹部を前に、国家による統制経済の行きづまりによる深刻な経済危機から脱却するため、資本主義的手法を取り入れた経済論議を容認する姿勢を示した。 2012年に社会主義企業責任管理制及び圃田担当責任制が全面導入されたことにより市場経済が拡大し、2015年までには生活必需品の8割が市場を通じて取引されるようになったとされる。これらの政策により、経済成長率や穀物生産量が上昇し、農村部においても電子機器の所有が一般的になるなどの生活水準の向上も見られる一方、金主(トンジュ)と呼ばれる新興富裕層が出現されるなど、貧富の差の拡大も指摘されている。ただ、核開発問題を理由に採択された国連安保理決議1718などの経済制裁が有効なこともあり、経済政策の効果は限定的とみられており、韓国銀行による国内総生産の推計によると、2012年から2014年にかけては毎年1%以上の経済成長を達成したものの、2014年時点のGNI推計値は138.8万韓国ウォンで、経済規模は未だ1970年代の水準で停滞を続けている。 北朝鮮指導部は2017年頃から漁業戦闘、漁獲戦闘のスローガンの下に積極的に遠洋漁業に乗り出した。日本海の大和堆付近に大挙して出漁して日本側の取り締まりを受けたほか、粗末な船や技術を原因とする遭難、漂着が相次いだ。2019年にはロシア側の海域にも数千隻とみられる規模で進出。ロシア当局から厳しい取り締まりを受けている。 2019年4月11日に開催された最高人民会議14期第1回会議で朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法が改正され、経済管理の方法として規定されていた「大安の事業体系」が削除され、社会主義企業責任管理制が新たに加えられた。
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