金正恩体制と出身成分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 16:52 UTC 版)
出身成分問題は、上述のように金正恩体制を揺るがしかねない獅子身中の虫となる可能性を秘めている。金正恩体制が続く限り、核放棄という外交上「弱腰」の選択肢はありえない。また、北朝鮮拉致問題での前進も期待できない。母親が在日朝鮮人出身であるがゆえの政治的偏向であると見なされかねないからである。さらには、経済の改革開放路線の採用も難しい。全面的な市場経済化は実力主義の導入を意味しており、そうなれば専制国家の基盤である半ば世襲的な階級制度とは矛盾をきたすことになるからである。 しかし、いくら国際的に核保有国であることを認められても、いくら「白頭血統」の末裔であることを宣伝しても出自問題は隠し通すことができない。むしろ喧伝すればするほど、出自問題の政治問題化の危険は増すことになる。ここに、金正恩体制のかかえるジレンマがある。
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