過去の核兵器開発国
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 15:55 UTC 版)
「核保有国の一覧」の記事における「過去の核兵器開発国」の解説
日本 詳細は「日本の原子爆弾開発」および「日本の核武装論」を参照 日本は第二次世界大戦中、理化学研究所などが核兵器の開発を目指していたが研究レベルであった。大戦末期の1945年8月、広島・長崎両市に世界初の核攻撃をアメリカから受けている。戦後は一部で核武装論も存在するが、日本政府は世界初の被爆国として原子力の平和利用に徹し、核軍縮・不拡散外交としてNPTや包括的核実験禁止条約(CTBT)を批准し、IAEAに協力している。なお製造や保有、使用を禁止するとした核兵器禁止条約には反対票を投じており、世界初の被爆国であるという観点から日本政府の方針に対し非難の声もある。 ドイツ(ヒトラー政権下) 詳細は「ドイツの原子爆弾開発」を参照 第二次世界大戦中に研究。 スウェーデン 詳細は「スウェーデンの原子爆弾開発」を参照 武装中立の国是のため開発を行ったが、1970年にNPTを批准して計画を完全中止。2001年に発表。 スイス 「スイスの歴史#1945年以降のスイス」も参照 武装中立の国是のため開発を行ったが、冷戦終結のため1988年に核開発を放棄(1995年発表)。 ブラジル 詳細は「:en:Nuclear activities in Brazil#The "autonomous" / "parallel" nuclear program (1978–87)」を参照 アルゼンチンとの対立から軍事政権期に核開発計画を進め、1970年代から西ドイツやイラクと核取引を試み、1984年に中国から手に入れた兵器利用可能な濃縮ウランを所持し、1987年にウラン濃縮能力があることを公表。しかし、1990年にアルゼンチンと共同で核兵器開発を禁じた。 アルゼンチン 詳細は「:en:Argentina and weapons of mass destruction#Nuclear weapons」を参照 ブラジルとの対立から軍事政権期に核開発計画を進め、1980年代前半から中国やソ連の濃縮ウランを入手し、1983年にはウラン濃縮能力があることを公表。しかし、1988年にブラジルが計画を放棄したことから1990年に両国共同で核兵器開発の禁止を宣言。 イラク(フセイン政権下) 詳細は「イラク武装解除問題」を参照 イスラエルやイランとの対立からフランスとの協力で開発を行ったが、イスラエルによる空爆で頓挫。その後核開発疑惑など大量破壊兵器の存在を口実に侵攻された。 リビア(カッザーフィー政権下) 詳細は「大リビア・アラブ社会主義人民ジャマーヒリーヤ国#核開発」を参照 2003年に核開発計画を公表し、廃棄した。北朝鮮へ核兵器廃棄を求める動きの中で、しばしば「リビア方式」として言及される。 アルジェリア 詳細は「:en:Algeria and weapons of mass destruction」を参照 リビアに対抗して中国との協力で開発を極秘で1983年から行ったが、アメリカの圧力で1991年に核施設へのIAEAの査察を受け入れて1995年にNPTに加盟した。 台湾 詳細は「中華民国の大量破壊兵器」を参照 中国との対立から開発成功寸前まで行ったが、アメリカCIAの工作などで頓挫。開発を行っていた事実を2007年に認めた。 韓国 「日本の核武装論#韓国」も参照 中国や北朝鮮との対立からパク・チョンヒ政権下の1970年代に極秘に核開発を行おうとしたが、朴正煕暗殺事件の発生やアメリカなどの牽制で頓挫。1991年に大統領の盧泰愚が非核化宣言を行った。その後2004年になり、1982年にも使用済み核燃料棒から微量のプルトニウムを抽出していたことや、2000年にウラン濃縮実験を行っていたことが明らかになり、外国メディアから核開発疑惑を持たれた。
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