近世フランス経済の動向とは? わかりやすく解説

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近世フランス経済の動向

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 03:54 UTC 版)

ヨーロッパにおける政教分離の歴史」の記事における「近世フランス経済の動向」の解説

近世フランス経済農業圧倒的な比重置かれ17世紀末まで全人口の少なくとも85パーセント農村人口占めた都市人口少なく別格パリでさえ18世紀初頭段階で約50万人にすぎず、それに次ぐのはリヨンマルセイユルーアンリールオルレアン五大都市であり、いずれも10万人を切っていた。農業技術的に中世からほとんど進歩がみられず、定期的に一定の土地休耕せざるをえない二圃制・三圃制採用主流で、生産性概して低かった。そして、フランス経済農業支配的であることに起因する脆弱性内包しており、常に凶作から始まって経済全般に波及するタイプ経済危機引き起こす構造伴っていた。工業小規模な手工業支配的であって技術的進歩乏しく工業生産大部分限られた地域的な需要応じた小規模なものであり、その中心繊維工業であった毛織物工業では、ラングドックプロヴァンスドーフィネレヴァント地方への輸出用ラシャ生産されていた。シャンパーニュ地方スダン北ドイツへの輸出用ラシャ生産していたが、ここではユグノー製造業者織機半数所有していた。絹織物工業においては17世紀中葉トゥールリヨンでの顕著な発展知られるが、これはユグノー貢献によるところが大きい。リンネル工業フランス導入したのもユグノーであり、イングランドへ輸出用商品として貴重なものであった亜麻織物麻織物西部で盛んであったオーヴェルニュアングーモワでは製紙業発達していたが、その主な担い手ユグノーであった。ここで製造された紙はフランス国内のみならず、イングランドオランダでも消費された。とくにオーヴェルニュアンベール産の紙は、当時ヨーロッパで最良のものとされていた。ユグノーの手工業者が担当したこれらの工業は、1685年フォンテーヌブローの勅令詳細後述以後急速に衰退していったと説明されることが少なくないそのほか重要な工業部門としては、建築とそれに付随する奢侈品生産があったが、鉱業製鉄業はまだ二次的な役割しか果たしていなかった。 ユグノーラ・ロシェルボルドーにおける海上交易発展にも貢献しボルドーにおいては主としてイングランド・オランダとの交易担ったほか、ラ・ロシェルにおいてはナントの勅令直前まで貿易は彼らの独占状態にあるという状態であったユグノー銀行家としては、17世紀初めにリシュリュー財源となったタルマン家やラムブイエ家、ユグタン家が知られる。なお、ユグタン家はリヨン出版業者であった1685年アムステルダム移住し、そこで17世紀最大銀行家にまで成長した長期的には、フランスは他のヨーロッパ諸国同様、中世末の14世紀から15世紀にかけて戦乱ペストによる人口激減商業活動減退傾向著しかったその後大航海時代本格化する15世紀以降長期的好況享受し1560年代から16世紀末葉まではユグノー戦争の影響深刻な不況見舞われる17世紀には活力回復し1630年代三十年戦争への参戦度重なる疫病飢饉によって経済停滞した一方その間市場経済進展がみられた。ただし、16・17世紀フランスはまだ一体的国民経済形成しておらず、多様な地域経済寄せ集めにすぎない状態であったため、穀物市場価格国内統一的な価格存在しなかった。そして、これら地域経済17世紀前半ナントボルドーなど大西洋岸都市商人オランダ商船のための仲買人として活動していたことで知られるように、しばしば国外経済的なネットワーク密接なつながり有していた。

※この「近世フランス経済の動向」の解説は、「ヨーロッパにおける政教分離の歴史」の解説の一部です。
「近世フランス経済の動向」を含む「ヨーロッパにおける政教分離の歴史」の記事については、「ヨーロッパにおける政教分離の歴史」の概要を参照ください。

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