足掛四年の英国留学とは? わかりやすく解説

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足掛四年の英国留学(1912-1915)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 02:19 UTC 版)

二階堂トクヨ」の記事における「足掛四年の英国留学(1912-1915)」の解説

1912年大正元年10月1日、トクヨは体操研究のため文部省から2年間のイギリス留学命じられた。留学推薦したのは上司永井道明であり、永井女子体育担い手としてトクヨに期待していた。11月20日曇り空の下で永井道明安井てつ長沼智恵子(後に高村姓となる)、高村光太郎10人が見送り駆けつけ横浜港から旅立った日本人女性体育留学生は、井口阿くり以来2人であった1913年大正13年1月15日、ロイヤルアルバートドック(英語版)に入港しイギリス到着するも、予定より1日早く着いたため迎えの人が来ておらず、船中でもう一夜明かした。翌1月16日迎えは来たものの、その人留学先キングスフィールド体操専門学校(Kingsfield Physical Training College、KPTC、現・グリニッジ大学英語版))の場所を知らずの降る中ようやく夕方学校到着し入学手続きを行った学校側は「アシスタント・プロフェッサー留学してくる」と聞いて身構えたが、いざトクヨに試験課すと何も知らないこと判明し、トクヨは「一体まあ、何をあなたは教えていました?」と教師一同から問われてしまった。これに対してスウェーデン体操教えていた」とトクヨはすまして答えたが、その内容を話すと「スウェーデン教育体操一部やっているんですね」と教師から言われ自分教えていたものスウェーデン体操一部にすぎないことを知ったそんな中唯一、「家庭競技」だけは「興味ある室内ゲームだ」と高評価得た。トクヨが披露したのは羅漢遊び各人違った身振りをする)、篠田つり(わらべ歌)、鼻々遊び手遊び歌)、はげ頭言葉遊び)などであった。 KPTCの授業理論実科分かれ理論では生理学解剖学衛生学など、実科では教育体操医療体操舞踊競技などを学び理論実科にまたがる「教授法」の科目もあった。最初は何も知らない驚いていた教師陣も、日々急速に成長していくトクヨに「天才だ」と賛辞を贈るようになった。トクヨが最も影響受けたのは、校長マルチナ・バーグマン=オスターバーグであった学校長期休暇中は、ロンドン市内の女子体操学校参観し、チェシャー州オルトリンガム(英語版)の夏季学校での水泳練習ロンドン舞踊塾でのダンス練習励んだ。特に水泳は苦手で最も苦しんだが、1か月後には一通りの型を習得し学年1位の成績得た。 KPTCで1年3か月学んだ後、トクヨはイギリス国内体操専門学校渡り歩いた当初留学予定では、イギリス巡歴の後、ヨーロッパ各国巡ってスウェーデン半年学び帰路アメリカ立ち寄ることになっていた。しかしこの頃第一次世界大戦勃発しイギリスでもドイツ軍による空爆が行われるよう緊張状態であったため、トクヨは各国巡回諦めイギリスにとどまることにした。ところが日本から急きょ帰国せよとの電報届いたため、やむなく1915年大正4年3月14日イギリス発ちドイツ軍潜水艦攻撃怯えながら行きと同じ航路取って4月4日日本戻った留学前は、イギリス行ってもそう変わることはなかろうと踏んでいたが、実際に体操教師博識多芸さに驚かされ女性体操教師として活躍していることに感銘を受け、愛国心喚起させる結果となった。この経験を胸に、自らの体を女子体育と国に捧げるという覚悟決め、その意志終生揺らぐことはなかった。トクヨは留学生活について『足掛四年』(1917年)に書き残し2人の弟・清寿と真寿はトクヨ13回忌記念に留学中送られてきた手紙をまとめた『ロンドン通信』(1953年)を発行した

※この「足掛四年の英国留学(1912-1915)」の解説は、「二階堂トクヨ」の解説の一部です。
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