訴訟からゴールデンボーイ・プロモーションズ離脱
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「サウル・アルバレス」の記事における「訴訟からゴールデンボーイ・プロモーションズ離脱」の解説
2020年9月8日、アルバレスが、DAZN及びゴールデンボーイ・プロモーションズ(GBP)、同社社長のオスカー・デ・ラ・ホーヤを相手取り、契約違反や詐欺、隠蔽等があったとして訴訟を起こし、2億8千万ドル(約300億円)の損害賠償を要求すると共に、ゴールデンボーイ・プロモーションズ以外のプロモーションがプロモートし、DAZN以外の事業体が放送する興行で試合を行うことができるかの司法判断を求めた。これは、アルバレスが契約で保証されていた1試合につき3500万ドル(約37億円)のファイトマネーの支払いをDAZNから拒否されたためで、GBPはDAZNとの契約で、アルバレスが年間少なくとも2試合を行い、そのうち1試合はプレミアな(最高の)相手と対戦すると約束していたが、DAZNと契約後にGBPとアルバレスが対戦相手に選んで対戦していたダニエル・ジェイコブスとセルゲイ・コバレフを、DAZNはプレミアな相手では無いとみなして不満を示していた(契約の中でプレミアな対戦選手として実際に例にあげられていたのはゴロフキンの名前のみであったが、DAZNは他に、デ・ラ・ホーヤ、総合格闘家のハビブ・ヌルマゴメドフとホルヘ・マスヴィダルの3人をプレミアな対戦相手として考慮していたとボクシングシーンとジ・アスレチックスの記者が伝えている)。また、DAZNは契約金をGBPに支払い、その契約の一環でGBPはアルバレスvsゴロフキン第3戦目を行う事になっていたが、アルバレスが第3戦目を拒否したために、契約を遂行できなかったGBPに対してDAZNは不満を持っていた。このためDAZNはアルバレスに契約額の半額となる1750万ドル(約18億円)でカラム・スミスと対戦するオファーを出したが、アルバレスは契約額全額の支払いを要求し交渉が行き詰まっていた。一方、アルバレスがGBPと交わした契約には、ゴロフキン第3戦目を行う条件も、DAZNから対戦相手を指定される条件も無かったとされているため、問題の根本は、GBPがアルバレスとDAZN双方に対して条件の食い違う契約を交わしたことと見られており、ここまでこじれた背景には、DAZNがアルバレスとの巨額契約に費やした投資に見合う加入者を獲得できなかった失敗があるとされている。 その後、訴訟がアルバレス側の手続き不備で裁判所に一旦却下され、その間に、DAZNから1試合につき2千万ドル(約21億円)のファイトマネーと、DAZNの新規加入者増数に応じてボーナスが支払われる和解案が提示されるが、アルバレス側は提示された和解案を拒否して、9月28日に訴訟を再提訴した。 2020年11月6日、ゴールデンボーイ・プロモーションズを離れフリーエージェントとなることが発表された。また、5年11試合3億6500万ドルの大型契約を交わしていたDAZNとも、わずか3試合で契約終了となった。 2020年11月17日、アルバレスがInstagramのライブ配信で12月19日にカラム・スミスと対戦することを発表した。また、DAZNと1試合限定の配信契約を交わした。 2020年12月19日、テキサス州サンアントニオのアラモドームで新型コロナウイルスの影響で集客制限がある中で11,426人の観客を動員して、WBA世界スーパーミドル級スーパー王者カラム・スミスとWBA王座団体内統一戦並びにWBC世界スーパーミドル級王座決定戦で対戦。試合は終始カネロ有利の一方的な展開となり、12回3-0(117-111、119-109×2)の判定勝ち。WBAスーパー王座の防衛並びにWBC王座の獲得、またスミスが保持していたリングマガジン認定王座の獲得にも成功した。 2021年1月1日、WBA世界ミドル級スーパー王座を返上した。 2021年1月21日、エディー・ハーン並びにDAZNと2試合契約を交わしたことを発表した。 2021年2月28日、フロリダ州マイアミのハードロック・スタジアムでWBC世界スーパーミドル級1位で指名挑戦者アブニ・イルディリムと対戦し、3回終了TKO勝ちを収めWBA王座は2度目、WBC王座の初防衛に成功した。試合後に5月8日にWBO世界スーパーミドル級王者ビリー・ジョー・ソーンダースとの3団体王座統一戦が発表された。 2021年5月8日、テキサス州のAT&Tスタジアムで、WBO世界スーパーミドル級王者ビリー・ジョー・ソーンダースと3団体王座統一戦を行い、8回終了TKO勝ちを収めWBA王座は3度目、WBC王座の2度目の防衛と、WBO王座の獲得に成功し3団体王座統一を果たした。試合の観衆は、アメリカのボクシング屋内会場観客数記録となる73,126人と発表されたが、その内チケット購入者は66,065人で、9,002,920ドル(約10億円)のチケット売上げがあった。 試合前に試合リングのサイズを巡って騒動があった。ソーンダースは24フィート(約7.3メートル)のリングを想定していたが、18フィート(約5.5メートル)のリングを使用する予定であることがわかり、足を使うタイプであるソーンダースにとって不利でファイタータイプのアルバレスにとって有利な狭いリングを使おうとしているとして、「ボクシングのリングが電話ボックスのサイズで私の動きを止めようとしている。18フィートのリングなんて受け入れられない」と不満を示し、リングサイズの問題が解決しなければ試合を拒否することを示唆したが、交渉の末、最終的に22フィート(6.7メートル)のリングを使用することで決着した。
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