訴訟と合意
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 02:39 UTC 版)
これに対して、土地・建物を所有する食肉販売業者・日山は、ガーデンに文化的な価値はなく、予定通りに資産活用を行うとした。住民が景観利益を根拠に提訴し、それが認められた判例には2006年(平成18年)の「国立マンション訴訟」などがある。訴訟中には環境と文化を争点とする訴訟としては初めて裁判所が現場検証を行い、2010年(平成22年)10月には現場を裁判官が訪れ、原告被告双方の関係者立会いのもとに現場検証が行われた。 これについて、2011年10月から翌年5月にかけて解体工事が行われた、2012年(平成24年)11月、建物の庭にある樹木84本を保存して、新たに約110本植樹や、暖炉や床の間の棚など解体した建物の一部と、灯籠・敷石・違い棚・暖炉などを保存し、マンションの中や外に設置することで、反対グループの理事だった前野まさる名誉教授は解体は残念だが出来る限り保全することを合意することで訴えを取り下げたことが報じられた。マンション内部に「松の間」の床の間を庭園が再現されることも決まった。反対してきた住民側は「旧邸の歴史や文化が新しい建物に記憶される。都市開発が進む中、都市の在り方を問う新しい試みになる。」と評価した。2014年に完成予定のマンションのには敷石と書斎にあった暖炉を再利用、玄関に入ると見えた中庭も敷地内に造られると報道された。 建物自体は殆どが取り壊され、赤松、椎、木斛などの既存からあった樹木を保存しつつ、銀杏、紅葉、山桜などが新たに建物周囲や全ての屋上に植樹された「ザ・パークハウス広尾羽澤」として販売、「珠光邸、粋林邸、佳苑邸」の3つの棟からなる総戸数114戸の高級アパートメントになった。それぞれの棟に囲まれた空間には外部からは覗けない緑豊かな中庭「翠緑苑」が有る。プライベートガーデンには、建設前からの樹木を移植したほか、料亭時代からの灯籠も設置されている。エントランスは敷地内でかつて使われていた石畳や景石があしらわれら。エントランスを通り抜けると、大廊下の奥に進むと、エントランスホールの中央にラウンジスペースには料亭時代から受け継がれた暖炉が置かれている。
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