訴訟との区別とは? わかりやすく解説

訴訟との区別

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 06:24 UTC 版)

非訟事件」の記事における「訴訟との区別」の解説

訴訟非訟形式上の区別は以上のとおりであるが、特に争訟的非訟事件場合実質的に訴訟事件区別されるのはどの点にあるのかが問題とされる。 この点に関する最高裁判所判例立場によると、当事者主張する既存権利義務存否確定させる裁判をする場合には、最終的に訴訟手続によらなければならないが、当事者権利義務存在することを前提にその具体的な内容裁量的に形成する裁判をする場合は、非訟手続によってもよいとされている。 この点について遺産分割揉めている例で説明する。まず、当事者そもそも遺産相続権があるかという争いに関する判断は、最終的に訴訟手続によらなければならない。これに対し遺産分割裁判それ自体は、当事者相続権があることを前提にどの相続人にどの遺産帰属させるかにつき具体的に決め処分をする裁判であり、非訟手続によってもよいことになる。なお、遺産分割審判の中でその前提問題として相続権有無判断することは可能であるが、別途民事訴訟で争うことも可能であり、相続権有無につき民事訴訟遺産分割審判との間で食い違い生じた場合審判はその限度効力を失う。 もっとも、非訟事件と言われるものの中には様々なものがあり共通の性質抽出することは困難であること、訴訟であっても権利義務に関する法律の定め方が抽象的になれば裁判所裁量判断大きくなり非訟近づくことなどから、訴訟非訟との区別断念し法律訴訟事件としていないものが非訟事件であるとする考え方もある。

※この「訴訟との区別」の解説は、「非訟事件」の解説の一部です。
「訴訟との区別」を含む「非訟事件」の記事については、「非訟事件」の概要を参照ください。

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