藤田スケール
別名:Fスケール
竜巻、ダウンバーストといった非常に強い突風について、被害状況から風の規模を推測する手法。
竜巻のような気象現象は、強い風により地上の樹木や構造物へ被害をもたらすが、水平方向の風の流れが小さく、通常の風速の計測方法では正しく計ることができないとされる。そこで、藤田スケールにより大まかな規模を計る方法が用いられている。
藤田スケールは1971年に考案・提唱された。2006年に改良版「改良藤田スケール」が発表されている。
藤田スケールでは規模が「F0」から「F5」まで6段階に、改良藤田スケールでは「EF0」から「EF5」までの6段階に分類されている。
「EF0」は小枝が折れる程度、「EF1」は屋根瓦が吹き飛ぶ程度、「EF3」は自動車が空中に巻き上げられる程度、最大規模の「EF5」では住家が吹き飛び、列車も宙を舞い、数トン規模の物体がどこからともなく降ってくる、とされる。
関連サイト:
藤田(F)スケールとは - 気象庁
ふじた‐スケール〔ふぢた‐〕【藤田スケール】
読み方:ふじたすけーる
竜巻による被害の規模の尺度。建物の損壊や木々の損傷の状態により、被害が軽微なものから甚大なものになるにしたがい、F0からF6まで7等級で表される。1971年、シカゴ大学の藤田哲也が提唱。Fスケール。→改良藤田スケール
[補説] 藤田スケール(気象庁による)
F0 | 17〜32m/s(約15秒間の平均) | テレビのアンテナなどの弱い構造物が倒れる。小枝が折れ、根の浅い木が傾くことがある。非住家が壊れるかもしれない。 |
F1 | 33〜49m/s(約10秒間の平均) | 屋根瓦が飛び、ガラス窓が割れる。ビニールハウスの被害甚大。根の弱い木は倒れ、強い木は幹が折れたりする。走っている自動車が横風を受けると、道から吹き落とされる。 |
F2 | 50〜69m/s(約7秒間の平均) | 住家の屋根がはぎとられ、弱い非住家は倒壊する。大木が倒れたり、ねじ切られる。自動車が道から吹き飛ばされ、汽車が脱線することがある。 |
F3 | 70〜92m/s(約5秒間の平均) | 壁が押し倒され住家が倒壊する。非住家はバラバラになって飛散し、鉄骨づくりでもつぶれる。汽車は転覆し、自動車はもち上げられて飛ばされる。森林の大木でも、大半折れるか倒れるかし、引き抜かれることもある。 |
F4 | 93〜116m/s(約4秒間の平均) | 住家がバラバラになって辺りに飛散し、弱い非住家は跡形なく吹き飛ばされてしまう。鉄骨づくりでもペシャンコ。列車が吹き飛ばされ、自動車は何十メートルも空中飛行する。1トン以上ある物体が降ってきて、危険この上もない。 |
F5 | 117〜142m/s(約3秒間の平均) | 住家は跡形もなく吹き飛ばされるし、立木の皮がはぎとられてしまったりする。自動車、列車などがもち上げられて飛行し、とんでもないところまで飛ばされる。数トンもある物体がどこからともなく降ってくる。 |
藤田スケール
- 分野:
- いろいろな風に関する用語
- 意味:
- 竜巻、マイクロバーストなどの強い風の尺度として世界的に用いられており、F0からF5の6段階に区分されている。
F0:17 ~32m/s
(約15 秒間の平均)テレビアンテナなどの弱い構造物が倒れる。小枝が折れ、根の浅い木が傾くことがある。非住家が壊れるかもしれない。 F1:33 ~49m/s
(約10 秒間の平均)屋根瓦が飛び、ガラス窓が割れる。ビニールハウスの被害甚大。根の弱い木は倒れ、強い木の幹が折れたりする。走っている自動車が横風を受けると、道から吹き落とされる。 F2:50 ~69m/s
(約7 秒間の平均)住家の屋根がはぎとられ、弱い非住家は倒壊する。大木が倒れたり、ねじ切られる。自動車が道から吹き飛ばされ、汽車が脱線することがある。 F3:70 ~92m/s
(約5 秒間の平均)壁が押し倒され住家が倒壊する。非住家はバラバラになって飛散し、鉄骨づくりでもつぶれる。汽車は転覆し、自動車が持ち上げられて飛ばされる。森林の大木でも、大半は折れるか倒れるかし、引き抜かれることもある。 F4:93 ~116m/s
(約4 秒間の平均)住家がバラバラになってあたりに飛散し、弱い非住家は跡形なく吹き飛ばされてしまう。鉄骨づくりでもペシャンコ。列車が吹き飛ばされ、自動車は何十メートルも空中飛行する。1 トン以上もある物体が降ってきて、危険この上もない。 F5:117 ~142m/s
(約3 秒間の平均)住家は跡形もなく吹き飛ばされるし、立木の皮がはぎとられてしまったりする。自動車、列車などが持ち上げられて飛行し、とんでもないところまで飛ばされる。数トンもある物体がどこからともなく降ってくる。 - 用例:
- ○○市では、「多数の住宅の屋根瓦が飛んだり屋根がはぎ取られた」「樹木が倒れたり折れていた」「自動車が横転した」等の被害状況から、竜巻の強度は藤田スケールでF2と推定される。
- 備考:
- 突風災害の調査報告で被害等の状況を示す参考値として用いる。
藤田スケール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/18 09:34 UTC 版)
藤田スケール(ふじたスケール、英: Fujita scale)または藤田・ピアソン・スケール(Fujita-Pearson scale)は、竜巻(トルネード)の強さを評定するための尺度である。主に建築物や樹木などの被害状況に基づいて推定される。藤田スケールの公式な階級区分は、写真や映像を用いた検証のほか、状況に応じて、竜巻襲来後に地上に形成される渦巻き模様のパターン(サイクロイド状の跡)や気象レーダーのデータ、目撃者の証言、メディア報道や被害画像などを基に決定される。通称、Fスケール(F-Scale)とも呼ばれる。
- ^ 原著論文は藤田(1971年)を参照。
- ^ Grazulis, Thomas P (July 1993). Significant Tornadoes 1680–1991. St. Johnsbury, VT: The Tornado Project of Environmental Films. ISBN 1-879362-03-1
- ^ a b Tornado FAQ(英語) Storm Prediction Center(英語)
- ^ Storm Prediction Center Enhanced Fujita Scale(EF Scale)(英語)
- ^ Fujita, T. Theodore (1974年). “Jumbo Tornado Outbreak of 3 April 1974”. 2021年9月18日閲覧。
- ^ Center Stage: Oklahoma City — Hope after the storm
- ^ Snyder, Jeffrey C.; Bluestein, Howard B. (21 April 2014). “Some Considerations for the Use of High-Resolution Mobile Radar Data in Tornado Intensity Determination”. Weather and Forecasting 29 (4): 799–827. Bibcode: 2014WtFor..29..799S. doi:10.1175/WAF-D-14-00026.1 .
- ^ Wurman, Joshua; Kosiba, Karen; Robinson, Paul; Marshall, Tim (2014). “The Role of Multiple-Vortex Tornado Structure in Causing Storm Researcher Fatalities”. Bulletin of the American Meteorological Society 95 (1): 31–45. Bibcode: 2014BAMS...95...31W. doi:10.1175/BAMS-D-13-00221.1.
- ^ “Obama offers solace in tornado-ravaged Oklahoma”. AFP. (2013年5月27日) 2021年9月18日閲覧。
- ^ Sills et al. “IMPLEMENTATION AND APPLICATION OF THE EF-SCALE IN CANADA (PDF)”. 2016年8月24日閲覧。
- ^ “平成19年報道発表資料 予報用語の改正について”. 気象庁 (2007年3月29日). 2016年8月23日閲覧。
- ^ “日本版改良藤田(JEF)スケールとは”. 気象庁. 2016年8月23日閲覧。
- 1 藤田スケールとは
- 2 藤田スケールの概要
- 3 藤田スケール階級表
- 4 改良藤田スケール
- 5 参考文献
藤田スケール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 14:54 UTC 版)
「日本の発明・発見の一覧」の記事における「藤田スケール」の解説
竜巻の強さを測定するために設計された最初の尺度である藤田スケールは、1971年に藤田哲也(アレン・ピアソンとの共同研究)によって初めて紹介された。この尺度は、改良藤田スケールが開発されるまで世界中で広く採用された。
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藤田スケール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 04:22 UTC 版)
詳細は「藤田スケール」を参照 藤田哲也・シカゴ大学名誉教授が1971年に提唱したFujita-Pearson Tornado Scale(通称:F-Scale、藤田スケールとも)が、竜巻の規模を表す数値として国際的に広く用いられている。ただし、藤田スケールにおける風速に対応する想定被害と実際の被害とのズレが問題となったため、アメリカではこれを改良した改良藤田スケール(EF-Scale)が2007年から使用されている。
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