航海日誌以外の logbook
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 18:35 UTC 版)
「航海日誌」の記事における「航海日誌以外の logbook」の解説
もともと航海日誌を意味した 英語: logbook は、やがて他の様々な営みに関しても用いられるようになった。 漁業においては、法規に従って漁獲高を記録する帳簿を「ログブック」と呼ぶ。漁の後、この帳簿は、当該漁船の帰属国の当局に提出される。 (航空機関連概念は船舶関連概念と重なっており)航空機のパイロットは、各自のフライト(飛行)の内容、フライト中に起きたことなどを記した「航空機乗組員飛行日誌」(航空日誌)を記録し続けることが義務づけられている(米国では連邦航空法FAR part 61.51、合同航空当局 (Joint Aviation Authorities) に加わっているヨーロッパ諸国では統合航空規則JAR-OPS 1.970に定められている)。パイロットは、資格や評価の基準に適合していることを示すため、また、当面の必要に応じて、飛行時間を記録することが義務づけられている。 軍事用語としてのログブックは、公的かつ法的に義務づけられた一連の記録文書である。個々の書類は、通常は日付順にまとめられ、重要な出来事や行動の時刻を記録しておくようになっている。 イギリスでは、自動車登録に必要とされる書式「V5C」を、かつて「ログブック」と称しており、現在も口語表現でそのように言及することがある。 無線局においては無線業務日誌のことであり、通信の日時・通信相手・通信内容などを記録する。日本でも電波法令により一部の無線局に無線業務日誌の備付けが義務付けられている。電波法令上の義務とは別に業務無線では、条例や社則などにより無線業務日誌を備え付ける無線局もある。アマチュア無線では、1992年(平成4年)に備付けが省略されたがコンテストやアワード取得などの活動には必須である。支援用ソフトウェアもいくつか存在する。 原子力発電所や粒子加速器のような複雑な機械では、コンピュータを用いたエレクトロニック・ログブック (electronic logbook) がますます用いられるようになっている。 コンピュータのオペレーティングシステム(OS)は、さまざまな動作を、OS内部のログファイル(log file)に時系列で、一定の形式で、細かに記録しつづけている。OSはこうしたログファイルを「自己診断」や「自己修復」のために利用する。また人間のエンジニアも、システムに不調が生じた際にその原因を知りたい場合や、セキュリティ上の疑義が生じた場合などに確認するということを行っておりログのおかげで不正使用や不正侵入が判明する。企業の情報システムがサイバー攻撃を受けそれに関する提訴が行われた場合は、攻撃があったことの証拠、犯人が誰なのかなどを示す確たる証拠として裁判所に提出されることもある。 また、我々が普段接している「ブログ」は、「web(を記録する)Logbook」を指すネットスラングが普通名詞化したものである。
※この「航海日誌以外の logbook」の解説は、「航海日誌」の解説の一部です。
「航海日誌以外の logbook」を含む「航海日誌」の記事については、「航海日誌」の概要を参照ください。
- 航海日誌以外の logbookのページへのリンク