航海条例の制定とは? わかりやすく解説

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航海条例の制定

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/02 07:46 UTC 版)

航海条例」の記事における「航海条例の制定」の解説

クロムウェル実権握っていた時期にこの法案議会通過したため「クロムウェル航海法」とも呼ばれるこの法案には、実際クロムウェルは関わっていない1651年10月議会通過したとき、クロムウェル国王軍討伐遠征途上にあった法案ピューリタン革命議会残ったランプ議会通過させたが、この発案者推進者が誰なのかは分かっていない。クロムウェルは、プロテスタント勢力が相争うことになると思われるこの法案批判的であり、クロムウェル率いる軍と議会の溝は深まっていった。[要出典] 1651年クロムウェル指揮下の議会で、最初の航海条例法案可決された。この法案は、イングランド植民地貿易利権を守るため、そして、急成長するオランダ海洋貿易から、イングランド産業守る目的があった。その条件としては イングランド及び植民地外国船を入れない イングランド人植民地住民を含む)乗組員が、最低半数占めること イングランドの船であること である。また、イングランドは、居住地でなく国籍重視したため、イングランド植民地住民は、植民地間の貿易をおこなうことができた。また、イングランドアジアアフリカ物品は、ブリテン諸島アメリカの植民地のみにしか送れなかった。逆に西インド諸島アメリカの植民地からは、外国船で諸外国に送ることができ、ヨーロッパ諸国輸出品は、イングランド船で運送するか、産出国の船で運ぶかのどちらかだった。 この条例は特にオランダに対象絞っていた。元々同じプロテスタント共和国当時)として、友好関係にあったオランダとの関係が、三十年戦争オランダスペイン所領市場多くをものにしたことで変化イングランド張り合うようになったオランダヨーロッパ各国間での貿易大部分と、イングランド沿岸貿易多くをも握っていた。 条例によりオランダは、不可欠であるイングランドとの貿易から締め出された。オランダ経済競争力があったが、イングランド互い捕捉し合う関係にはなく、条例施行後両国間での取引はなされていた。しかしこの条例によって、オランダ商業依存していた中継貿易無力化されオランダの船は、オランダ輸出品(主に乳製品)をイングランドとその植民地に送るだけになった。しかも、この貿易での収益は、オランダ貿易収益全体ではごくわずかであった航海条例はしばし第一次英蘭戦争主な原因と言われるが、条例そのものは、イングランド大々的外交方針一部でしかなかった。その方針に基づいてオリバー・シンジョンとウォルター・ストリックランドが、イングランドオランダ同盟交渉したものの失敗終わり、シンジョンは交渉で恥をかかされたことへの仕返しとして、この条例推進した1652年両国交戦状態に踏み切った1653年イングランド海軍ポートランド戦い、ガバードの戦い、そしてスケフェニンヘンの戦い勝利と、自国領海戦いで圧倒的な強さ見せた。元々は、1651年条例限定条項無視したオランダ船への攻撃発端だったが、バルト海地中海といった、戦場をはるか離れた場所では、オランダイングランド貿易停止し独占握っていた。英蘭両国は、互いの首を真綿締めるようなことをやっていた。最終的にオランダ条例認めざるを得なくなった1658年クロムウェル没し息子リチャード・クロムウェル護国卿就任したが、軍との軋轢から失脚し、これが王党派勢いに火をつけて清教徒革命終焉王政復古への道を早めた航海条例は、王政復古後続いたが、18世紀以後様々な制約加えられた。

※この「航海条例の制定」の解説は、「航海条例」の解説の一部です。
「航海条例の制定」を含む「航海条例」の記事については、「航海条例」の概要を参照ください。

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