背徳の瞳〜Eyes of Venus〜とは? わかりやすく解説

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背徳の瞳〜Eyes of Venus〜

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/15 13:16 UTC 版)

背徳の瞳〜Eyes of Venus〜
V2シングル
初出アルバム『TK BEST SELECTION IN EPIC DAYS
B面 Virginity
リリース
規格 8cmシングルCD
録音 1991年10月-12月
ジャンル ロックヘヴィメタル
時間
レーベル Epic/Sony
作詞・作曲 V2
ゴールドディスク
チャート最高順位
  • 週間2位(オリコン
  • 1992年度年間40位(オリコン)
  • テンプレートを表示

    背徳の瞳〜Eyes of Venus〜」(はいとくのひとみ アイズ・オブ・ヴィーナス)は、小室哲哉YOSHIKIが結成した期間限定ユニットであるV2が、1992年1月18日にリリースしたシングルである[2]

    解説

    V2として唯一リリースされたシングルで、オリコンチャート初登場2位を記録し(1位は大事MANブラザーズバンドそれが大事[3])、47.7万枚を売り上げる。ジャケットにはV2ロケットが描かれている。エクスタシー音楽出版からバンドスコアも発売された。「背徳の瞳〜Eyes of Venus〜」は小室哲哉が2011年にリリースしたコンピレーション・アルバムTK BEST SELECTION IN EPIC DAYS』にリマスターされたものが収録されているほか、小室哲哉の2012年のリミックス・アルバムDigitalian is remixing』にピアノ・ソロ・バージョンが収録されている。

    タイトルの「背徳の瞳」はYOSHIKIによって、「Virginity」は小室によって付けられた[4]。また、タイトルに全て「V」の文字を入れたいという小室の発案を受け、「Eyes of Venus」というサブタイトルもYOSHIKIが考えた[4]

    当初はYOSHIKIのエクスタシーレコード所属のバンドから誰かボーカリストを起用する予定だったが企画倒れに終わり、仮唄のつもりで録音された小室のボーカルでそのままCDリリースとなった[5]

    収録曲

    全作詞・作曲・編曲: V2
    #タイトル作詞作曲・編曲時間
    1.「背徳の瞳〜Eyes of Venus〜」V2V2
    2.「Virginity」V2V2

    制作

    1. 背徳の瞳〜Eyes of Venus〜
      YOSHIKIがXのツアー『Violence In Jealousy Tour 1991 〜夢の中にだけ生きて〜』の8月23日の東京ドーム公演を終えるまでの間に、小室がお互いの音楽性に共通すると感じたコードを使用したデモ・テープをピアノで制作し、東京ドーム公演を終えたYOSHIKIに手渡した[6]。これが「背徳の瞳〜Eyes of Venus〜」イントロとなった[6]。このテープを受けたYOSHIKIが、テープに収録されていた一部のフレーズを題材にドラムとピアノが入ったサビの部分を制作し、これを録音した2番目となるテープを9月中旬に小室の元へ返した[6]。「背徳の瞳〜Eyes of Venus〜」は、YOSHIKIが制作した2番目のテープが大本になっているという[6]
      イントロは最終的に小室とYOSHIKIのピアノ二重奏となったが、3台分のピアノが重ねられている[4]。中性的な声で歌うことを意識したと語っている[6]
    2. Virginity
      「背徳の瞳〜Eyes of Venus〜」と同時期に開始され、同じ手法で制作が進められた[6]
      少年的な声で歌うことを意識したと語っている[6]
      レコーディングは10月24日にYOSHIKIがXのコンサートで倒れる中、最初に小室の歌入れが行われた[6]。YOSHIKIの回復後に今度は小室が倒れる中、YOSHIKIが先に小室によって制作された詞のモチーフ・展開の構成をヒントに書き上げた「Virginity」の英語によるナレーションのレコーディングを4-5時間かけて行い、[6][7]その後に小室が日本語詞を制作した[8]
      パーカッション・パートはYOSHIKIによって全ての譜面が書き起こされ[8]、YOSHIKIが小室の所有するシンクラヴィアのディスクに収録されていた2000余りの音色を全て聴いて、生音と対比させながら選んだ[6]。音色の打ち込みは今までは他のマニピュレーターと小室が共同で直接関わっていたが、本作で始めて全ての打ち込み作業を他人に委ね、小室は飽くまでも第三者として相談に乗った上で「1音ずつ打ち込むように」と指示していた[8][9]
      当初ドラムパートは全て打ち込みを予定していたが、生音と対比する中で、生ドラムと打ち込みの混成となった[7]

    批評

    市川哲史は「2曲とも非常に奇妙な曲になった。メロディをよぉーく聴いてると、ヨシキメロディと小室メロディが交互に登場するのがよくわかる。しかも違和感なくつながっているからおかしい。特に『背徳の瞳〜Eyes of Venus〜』は、ヨシキの『俺のツーバスと小室君のシンセ・アンサンブルの対決みたくなっちゃって(笑)』発言通り、どちらも押しまくりの賑々しい、『TMX』としか言い様がないキャッチーな楽曲だ。一方の『Virginity』は、小室発案のボレロなのだが、『ヨシキが打ち込みして遊んで、あんまり聴いた事がない打楽器のリズムだらけの曲になって、収拾がつかないへんてこりんな曲に(笑)』という小室の証言通り、雄大なんだかせせこましいんだか、よくわからない謎のナンバーとなっている。とにかく面白い事は確かなシングルだ」「作品自体には逆に戦略性は感じられない。あの2人が「どう受け取られるか考えてもなかった」と言う程なのだから、正に『純粋にアーティスティックな遊び』に他ならない。そしてこうした余裕こそが重要だと思うのである」と評している[10]

    脚注

    1. ^ 認定年月:1992年 3月 一般社団法人日本レコード協会 2022年7月1日閲覧
    2. ^ 「背徳の瞳」リリース情報”. ORICON STYLE. 2013年5月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年7月23日閲覧。
    3. ^ 1992.1.27付オリコン 1位 それが大事 17万6790枚 2位 背徳の瞳 16万0930枚
    4. ^ a b c 『PATi-PATi』(1992年2月号)ソニー・マガジンズ
    5. ^ 市川哲史『私も「ヴィジュアル系」だった頃。』(竹書房、2006年)p. 93
    6. ^ a b c d e f g h i j 『WHAT's IN?』(1992年1月号)ソニー・マガジンズ
    7. ^ a b 羽積秀明『NUDE』(フールズメイト、1992年)pp. 200-201
    8. ^ a b c ダイヤモンド社刊『FM STATION』1992年1月20日号14Pより。
    9. ^ 角川書店刊 『告白は踊る』 小室哲哉著より。
    10. ^ ロッキング・オン刊「ROCKIN'ON JAPAN」1991年12月号「YOSHIKIと小室哲哉、合体。本誌独占『V2』初インタヴュー」p.45より。

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