粘着運転化とは? わかりやすく解説

粘着運転化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 23:36 UTC 版)

碓氷峠」の記事における「粘着運転化」の解説

太平洋戦争後は輸送隘路解消のため最急勾配25 ‰とする迂回ルート検討されたが、最大66.7 ‰(約3.8度)の急勾配回避せず一般的な車輪による粘着運転で登降坂することになり、1961年着工し1963年7月15日旧線のやや北側をほぼ並行するルート新線単線開通した同年9月30日ラック式鉄道廃止され、さらに1966年7月2日には、旧ラック式線の一部改修工事する形でもう1線が開通し複線となった。これによって当区間所要時間旅客列車40分から、勾配上る下り列車17分、勾配を下る上り列車24分に短縮された。 しかし電車・気動車客車貨物問わず単独での運転は勾配に対応できず、補助機関車として2両を1組としたEF63形を常に連結することとなった勾配登る下り列車横川軽井沢)を押し上げ勾配を下る上り列車軽井沢横川)は発電ブレーキによる抑速ブレーキとなるという機能であった。そのために必ず勾配の麓側にあたる横川側に2両が連結された。 客車・貨物列車の場合EF62形単機回送も含む) 信越本線内の本務機関車としてEF63形同時期に製造されEF62形牽引する列車ではEF63形連結して区間走行する際の輸送定数客車360 トン (t)貨物列車400 tに制限されたほか、ラック時代一部列車実施されていた客車貨車を混結した状態で走る混合列車の運転が保安禁止された。 下り列車場合軽井沢EF62 + 客車もしくは貨車 + EF63 + EF63横川)の編成となり、無線通信によって最前部のEF62牽引し後部EF63形2両で推進するプッシュプル方式での運転操作が行われた。上り列車場合、(軽井沢客車 + EF62 + EF63 + EF63横川)と勾配の麓側に3両の機関車連なり最前部のEF63形から3両の総括制御を行う。 EF62+EF63+EF63の3重連による牽引力D51形蒸気機関車の5重連相当する電車・気動車の場合 EF62形EF63形量産車による3重連以上を用いた試験結果EF63形無動力の電車・気動車牽引する場合編成両数電車最大8両、気動車最大7両に制限された。この問題についてはさまざまな解決策検討されたが、最終的にEF63形と当区間通過する電車協調運転することで、増結求められていた4両分荷重電車負担する案が採用されることになった。こうして1968年以降EF63形との協調運転により最大 12編成での通過を可能とした169系489系189系各形式電車投入されたが、協調・非協調問わず区間の運転はすべてEF63形乗務する機関士担当し、峠を登る列車ではEF63形機関士後ろ向きに運転を行うため、電車・気動車による列車では先頭乗務している運転士信号現示進路確認行ない車内電話通してEF63形乗務機関士伝達し相互喚呼していた。また協調運転時の総括制御推進牽引運転時に電車・気動車側のマスター・コントローラーブレーキ弁を扱うと制御回路破損してしまうため、電車・気動車側のマスター・コントローラーハンドル「切」位置にして鍵を抜き取りブレーキハンドル抜き取るよう規程されていた。 1985年昭和60年)頃には余剰サロ183形を改造した自力登坂可能な187系(第2案)も計画されたが、諸般の事情から白紙撤回されている。詳細は「国鉄187系特急直流電車開発計画」も参照のこと。

※この「粘着運転化」の解説は、「碓氷峠」の解説の一部です。
「粘着運転化」を含む「碓氷峠」の記事については、「碓氷峠」の概要を参照ください。

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