競技用動力艇
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 06:05 UTC 版)
国際模型ボート協会 (IMPBA) 、北米模型ボート協会 (NAMBA) は、夫々コース、競技規定、やり方などを定めている。 国内・国際競技とも、直線と周回の競技コースが使われる。RC競走艇は、高い最大速度と操縦性を目標にしている。水面に任意にブイを設置して周回コースを作るから、さまざまな走り方に高速で対応できなければならない。一般的な周回コースは、長さ330フィート (100.6m) の直線を半径35フィート (10.7m) の円弧でつないだ楕円で、1周が1/6マイル (268m) になる。直線の速度記録を競うために、直線コースもある。ボートは出発ラインとゴールラインで光電式に計時され、その時間差と両ラインの間隔で速度が計算される。短距離・高速型のレース、電動艇のレースは、静かな湖水などで行なう。電動艇の速度は80km/h、航続時間は10分に達し、直線100ヤード (91m) のスプリント・レースでは内燃エンジンと一緒に競技している。 原動機や船体の形式によって、何十種にも細分されている。原動機には、電動・グローエンジン・蒸気機関・ガソリンエンジンなどがある。船体の形(船型)には、モノ・ハイドロプレーン・カタマラン・アウトリガー・エコなどがある。競技級は以上の区分に加えて、動力用電池の形式や本数、エンジンの大きさ(行程容積など)、細かい船型区分、プロペラの位置(水没・水面)などによって、さらに細分される。 上記の動力で駆動される推進装置は、水中のプロペラ、空中の飛行機用プロペラ、水中ジェットなどである。 通常は、次の2種類のチャンネルでRC操作する。ひとつは、舵・船外機・船尾推進装置の向きを変えて、船の針路をコントロールする。他は、スロットルの操作によって船の進行速度をコントロールする。スケールモデルの場合は、実物らしさを演出するために、上記に加えて霧笛を鳴らし、レーダーアンテナを回転させるなどの追加操作を行なう。また、高度に発達した競技ボートでは、競技走行中に空気と燃料の混合比を調整し、プロペラの高さ変えて推進する角度や水没の程度を調整している。 工作の難易によって次の3種類に区分される。 RTR(レディー・ツー・ラン:すぐに走行できる)型。 ARTA(オールモスト・RTR:少しの手間で走行できる)型。 キット品。高性能な競技艇はキットから製作し、製作者は自分で受信機と各種装置をそれに組み込む。 操縦者がモーターボートに乗って模型ボートを追走しながら、海上を何キロも走行させるレースもある。さまざまなクラスの模型ボートが同時に走行し、計時によって各クラスの順位を決める。このような外洋レース艇のエンジンは内燃機関が使われる。RCが普及する前には、Uコンのように索をつけた周回走行や、自由走行が行なわれていた。索つき周回速度の記録は、260km/hに達しているが、走行条件が違うのでRCボートの記録はそれに及ばない。
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