競技用ライフル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/03 02:34 UTC 版)
すべての銃で、連射が可能なものはない。また、原則的にレンズおよびプリズムを使用した光学照準機の使用は禁じられており、マイクロサイトと呼ばれるピープ(覗き穴)式の精密照準器を使用する。高齢者対象の競技(マスターズクラス)に限っては、拡大鏡(1.5倍)装備の照準器の使用が認められている。 また、国内での所持については、都道府県公安委員会の許可が必要である。装薬銃及び低年齢者の空気銃所持に関しては、日本体育協会からの推薦を得ることも合わせて必要となる。 公式戦に出場するには日本ライフル射撃協会の認定銃である必要があり、5年間有効の銃器公認シール(有料)を貼付しなければならない。認定銃については日本ライフル射撃協会のホームページで確認できる。 スモールボアライフル 口径5.6mm(22口径、弾種は.22ロングライフル実包のみ)の競技用ライフルである。小口径であるため、スモールボア( Small Bore :小口径)と呼ばれる。競技専用であるためパームレストなどの特別なアクセサリーをつけられるようになっている。ボルトアクション方式。標的が50メートル先にある競技のみ行われる。 バイアスロンに使用される銃もスモールボアである。 ビッグボアライフル 口径最大8mmの競技用ライフルである。形状はスモールボアとほぼ同じであるが、より大口径であるため威力も大きい。使用できる射撃場が限られているため、日本での競技人口は極めて少ない。標的の距離は原則として300メートル先であるが、国内では射撃場の制約等から、100mなどのそれより短い距離で行われる場合もある。1972年ミュンヘンオリンピックを最後にオリンピックではビッグボア種目は行われていない。 エアライフル 口径4.5mmの空気銃である。玩具であるエアガン(エアソフトガン)とは異なり、所持には各都道府県公安委員会の許可が必要な実銃である。ポンプ式、圧縮空気式、スプリング式、炭酸ガス式があり、現在では圧縮空気式(プリチャージ式)が主流である。標的が10メートル先にある競技のみ行われる。 ビームライフル 引金をひくと可視光線を発する光線銃である。光の当たった位置で得点を判断する、特別な標的を使用する。標的が10メートル先にある競技のみ。ライフル型「ビームライフル」と拳銃型の「ビームピストル」がある。銃に関する規制の厳しい日本で、射撃競技の普及のために開発された。そのため日本でしか行われていなかったが、近年では鉛汚染に対する懸念などから、2012年の近代五種の射撃に採用が決定するなど、わずかだが広がりを見せている。 近年ではより高精度の『デジタル射撃』が広まりはじめ、ピストルのみだが、国体でも採用されている。使用される「デジタル銃」は、競技用の空気銃をベースにしており、競技普及以外に技能向上としても注目されている。
※この「競技用ライフル」の解説は、「ライフル射撃」の解説の一部です。
「競技用ライフル」を含む「ライフル射撃」の記事については、「ライフル射撃」の概要を参照ください。
- 競技用ライフルのページへのリンク