稲荷神と狐とは? わかりやすく解説

稲荷神と狐

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/24 14:17 UTC 版)

稲荷神」の記事における「稲荷神と狐」の解説

民俗学者萩原龍夫解説では、古くから霊的動物として「稲荷(いなり)神の使いないしは稲荷神そのもの」と信仰されるなど深く広い各種信仰があり、狐憑きは「御先稲荷」(オサキドウカ)や「オサキ」という名前で、関東から東北にかけて伝承されている。日本語文化研究者・劉克報告では、日本全国存在する社以上の稲荷社像を備えており、「自体を「稲荷神」として信仰する場所も少なくない。しかし、伏見稲荷大社稲荷神神使とし、稲荷神そのものではないと述べており、また最上稲荷妙教寺白狐稲荷神最上位経王大菩薩)の御眷属お使い)と述べている。民間伝承においては稲荷はしばし同一視されており、例えば『百家説林』(ひゃっかせつりんひゃっかぜいりん)に「稲荷といふもなり といふも稲荷なり」という女童の歌が記されている。また、稲荷神貴狐天皇ダキニ天)、ミケツ(三御食津)、野狐飯綱呼ばれる場合もある。 日本では弥生時代以来への信仰根強く稲荷山古く蛇神信仰の中心であったが、平安時代になってから神使とする信仰広まった稲荷神習合し宇迦之御魂神の別名に御饌津神(みけつのかみ)があるが、古名は「けつ」で、そこから「みけつのかみ」に「三狐神」と当て字したのが発端考えられ、やがて稲荷神使い、あるいは眷属収まった。なお、「三狐神」は「サグジ」とも読む。かつて「シャグジ石神)」または「三狐神シャグジ)」であった岩屋(神)が、後に稲荷神ウカノミタマ祀る神社となった事例もある。時代が下ると、稲荷には朝廷出入りすることができる「命婦」の格が授けられたことから、これが命婦神(みょうぶがみ)と呼ばれて上下社に祀られるようにもなった。 上記通り稲荷神は元々は農業神であるが、穀物食い荒らすネズミ捕食すること、の色や尻尾の形が実った稲穂似ていることから、稲荷神使い位置付けられたとも言われる江戸時代入って稲荷商売の神と公認され大衆人気集めようになった。またこの頃から稲荷神社の数が急激に増え流行神はやりがみ)と呼ばれる時もあった。また仏教荼枳尼天は、日本では乗る考えられ稲荷神習合されるようになった今日稲荷神社祀られている多く白狐びゃっこ)である。 江戸などの大都会や、屋敷稲荷祀る東日本農村では、狐憑きはしばし稲荷との関連発生しており、症状良性である場合も多い。一方で、もともと信仰弱かった山陰南四国東九州などの一部では、「憑き筋」と呼ばれる家系想定され村落社会的緊張生んだ稲荷神社前には、狛犬代わりに宝玉くわえたの像が置かれることが多い。他の祭神とは違い稲荷神稲生り、つまりお米出来司る神様)には神酒赤飯の他に俵を模した俵型の寿司稲荷寿司)およびそれに使用される油揚げ供えられここから油揚げ使った料理を「稲荷」とも呼ぶようになった。ただし肉食であり、実際に油揚げ好物わけではない

※この「稲荷神と狐」の解説は、「稲荷神」の解説の一部です。
「稲荷神と狐」を含む「稲荷神」の記事については、「稲荷神」の概要を参照ください。

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