移設・高架化構想(中止)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/30 22:35 UTC 版)
「高松築港駅」の記事における「移設・高架化構想(中止)」の解説
香川県の再開発計画では、高架化の上ルートを変更して中央通りを跨いで西進し、JR高松駅南側の空き地に移転するはずだったが、琴電の民事再生法適用や香川県の財政難等の事情により、2005年1月に高架化事業の凍結が決定された。ただし、その決定に際しては「サンポート乗り入れによる交通結節機能の強化」が条件として付けられており、これに従って同年7月に香川県が有識者による再検討委員会を発足させた。委員会は2006年3月までに事業内容の見直し案を3つ程度答申し、それをもとに香川県側が最終判断を行うことになっていた。 最終的に委員会は5回開催され、当初予定よりも大幅に遅れて2009年5月に 当初の予定通り全区間の高架化 国道11号(片原町 - 瓦町駅間)以北の高架化 変形五叉路となっている本町踏切(高松築港 - 片原町駅間)でさぬき浜街道を高架化 の3案を県に答申して解散した。事業費は1の場合340億円、2は200億円、3は60億円と試算された。なお、現在の事業計画では2010年度が事業完了年度となっており、同年度末には事業認可が切れるため、それまでに香川県は事業の再開・中止の決定を求められることになった。第3案が採用された場合には、当駅の移転は行われない可能性があった。 2008年の第4回検討会では、琴電のLRT化が見直し案の一つに含まれていた。上記の通り最終答申からは外されたが、これとは別に2007年に就任した高松市の大西秀人市長はLRTの導入に前向きな姿勢を示し、2008年より独自に「総合都市交通戦略検討委員会」を設置して可能性を探っている。琴電側はいずれにおいてもLRT化には慎重な姿勢を示している。 香川県の真鍋武紀知事は、2009年10月6日の定例県議会本会議で「現状では再開の目処が立たず、来年度末までの事業認可期間の延伸も非常に困難」と述べ、事業の中止に向けた意向を示した。知事は10月24日に県の公共事業再評価委員会に事業について諮問し、再評価委員会は2010年2月10日に事業中止の答申を行った。これを受けて2月25日の香川県議会で真鍋知事は計画の中止を正式に表明した。ただし、将来の再開に備えて都市計画決定自体は取り消さずに残す見通しと報じられた。この表明から12年あまりが経過した2022年3月28日に開かれた、県の都市計画のあり方に関する会合で、「高架事業の都市計画」を廃止する方針を決定した。 当初の計画では、JR高松駅とはわずかに離れているため、乗り換え時の不便さが問題視され、あるJR東日本幹部は新聞の取材に対し「(当時)まったくの更地からJRと私鉄の新駅を別々に作るケースを探すほうが難しい」とJR四国・琴電の対応に首を捻った。 中止表明に際して真鍋知事は「(両駅間の連絡については)屋根つき歩道や案内標識を整備することにより、利用者の快適性や利便性の向上を図っていく」と述べ、これを受けて2010年7月にそれまでJR高松駅入口からタクシー乗り場までであった歩道の屋根が、中央通りの交差点手前まで延長された。 高松築港駅が移転するはずだった場所は、高速バス専用ターミナルに転用されることとなり、2013年10月1日に供用を開始している(詳細は高松駅前バスターミナルを参照のこと)。
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