移設と廃止
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/15 15:06 UTC 版)
1955年(昭和30年)11月9日、中部電力豊根発電所は元の地点より約80メートル上方に移転し、半地下式、出力2,300キロワットの発電所として装いを新たにした。これは下流側で進められていた佐久間ダム建設に関連する。巨大ダムである佐久間ダムの建設は1953年(昭和28年)に着手されたが、旧発電所の場所はダム完成後、ダム湖(佐久間湖)に水没してしまう位置にあった。旧発電所の有効落差は206メートルで、上方に移設してもなお最大127メートルの有効落差を得られることから、中部電力は新発電所を建設して有効利用を図ったのである。 ところが放水側の天竜川本流で佐久間ダムが建設されたのに続き、1969年(昭和44年)に取水側の大入川でもダム建設が着手された。1972年(昭和47年)に完成した新豊根ダムである。新豊根ダムの完成により豊根発電所の取水堰(田鹿堰堤)はダム湖に水没した。ダム建設により取水が不可能になるためダム竣工に先立つ1971年(昭和46年)12月31日をもって豊根発電所は運転を休止、翌1972年2月15日に廃止手続きが採られた。
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