相互作用二元論とは? わかりやすく解説

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心身相互作用説

(相互作用二元論 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/09 04:25 UTC 版)

相互作用説の説明。左からそれぞれ相互作用説、随伴現象説心身並行説。Pは物理的(Physical)なものの状態、Mは心的(Mental)なものの状態を表す。

 

心身相互作用説(しんしんそうごさようせつ、: Psycho-Physical Interactionism)とは、心身問題に関する考え方の一つで、この世には心的なものと物的なもの、という全く異なる二種類のものがあり(二元論)、かつその両者は相互作用している、とする考え方のこと。脳内の物質が意識の世界から影響を受け、物理法則とは異なる動きをすることがあるという考え方である。

対比される考え方として、心的なものは物的なものに完全に付随して生まれているという随伴現象説、そして心的なものと物的なものはお互いに影響を及ぼさずに並行して進んでいるという心身並行説がある。

一般に単に心身相互作用説とだけ書かれている場合は、デカルトの主張に代表される、精神と物質の相互作用を仮定するタイプの実体二元論のことを指していることが多い。心身相互作用説は、20世紀中ごろからは量子力学的な現象を関連させた仮説を提唱されることが多く、こうした例としてたとえばカール・ポパージョン・エックルズの理論などがある。

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相互作用二元論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/12 08:42 UTC 版)

心の哲学」の記事における「相互作用二元論」の解説

相互作用二元論または単に相互作用説二元論一種で、心の状態、例え信念欲求といったもの、を物理的な態と因果的相互作用するものとして捉える立場である(心的世界で起こる変化影響によって、脳内物質物理法則反す動きをすることもあるという考え方である)。この考え主張したのは、デカルトである 。20世紀以後においてはこの考え方少ないが有名な論者としてカール・ポパージョン・エックルスがいる。 デカルト有名な論証次のようにまとめられるセス延長持たない思考するものとしての自分の心の明晰判明観念を持つ(延長もたないとは長さ重さ、高さなどの面で測定することができないということである)。彼はまた自分身体について空間的な延長持ち、量を測ることができ、思考できない何かとしての明晰判明観念を持つ。このことから、心と身体根本的に異なった性質を持つのであるから同一ではありえないということ導ける。 しかし、同時にセス心理状態欲求信念等)が彼の身体に対して因果的効果持ち、またその逆に身体が心に因果的効果を持つことは明白である。たとえば、子供が熱せられたストーブ触れたら(物理的出来事痛み引き起こし心的出来事)、彼は悲鳴をあげ(物理的出来事)、それが次に母親恐怖保護感覚引き起こす心的出来事)、などなどといったようにである。 デカルト議論における重要な前提は、セス自分心の中の「明晰判明な」観念だと思うものは必然的に真だ、というものである現代哲学者多くはこれに疑いを持つ。たとえば、ジョゼフ・アガシは二十世紀初頭からなされたいくつかの科学的発見結果自分自身観念には特権的にアクセスできるという考え方根拠崩れた考えている。フロイト心理学的な訓練受けた観察者はある人の無意識の動機本人よりもよく理解できるということ示したデュエムはある人がどういう発見方法使っているか科学哲学者の方が本人よりよく知っているということありうる示しマリノフスキ人類学者はある人の慣習習慣本人よりよく知っていることがありうる示したアガシまた、人々実際に存在しないものを見るようにしむける現代心理学的実験は、科学者がある人の知覚本人よりもうまく記述できるということ示しているからデカルト議論拒否する論拠になると主張する

※この「相互作用二元論」の解説は、「心の哲学」の解説の一部です。
「相互作用二元論」を含む「心の哲学」の記事については、「心の哲学」の概要を参照ください。

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