無人島渡航計画とは? わかりやすく解説

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無人島渡航計画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 23:25 UTC 版)

蛮社の獄」の記事における「無人島渡航計画」の解説

無人島である現在の小笠原諸島存在日本知られるようになったのは寛文10年1670年)のことで、延宝3年1675年)に幕府探検船派遣して調査し領有宣言した当時長崎来航する唐船模して建造されジャンク様式航洋船が長崎にたまたま1隻あり、朱印船貿易時代航海術にくわしい船頭もいたからだが、18世紀にはそのような船や人も失われており、19世紀入り幕府外国への警戒厳しくなって異国船打払令発令されると、幕府無人島対す姿勢委縮硬化していった無人島正確な位置さえ誰もわからなくなっており、関心失われ半ば放置されていた。 そのような中、文政10年1827年)にイギリス探検船ブロッサム号(英語版)が父島来航しイギリス領宣言行ったが、イギリス政府正式な承認得られなかった。天保元年1830年)には欧米人ハワイ人など25名が父島入植している。彼らは島に寄港する捕鯨船食料売って生活していた。 通説によると、モリソン号事件象徴される外交問題頭を悩ませていた幕府にとって、海防沿岸調査急務事案であった。すでに天保9年1838年イギリス人小笠原諸島入植風説対応し幕府代官羽倉簡堂同地調査派遣している。また、後に蛮社の獄連累されることになる下級幕臣本岐道平羽倉同行している。本岐蘭学通じた技術者であった羽倉友人であった渡辺崋山はこの調査同行することを藩に願い出て却下されているとする。 これに対して田中弘之は、羽倉伊豆諸島巡見彼の支配地である大島から八丈島までの巡見であり、無人島渡航命じられ事実うかがえず、羽倉無人島渡航単なる噂に過ぎなかった。当時和船では八丈島への航海でさえ危険が伴ったのである崋山は噂を事実信じて同行希望したが、彼は西洋人小笠原島定住していることを知っていたようで、西洋肯定的認識持っていた崋山それゆえに最も身近な西洋とも言える無人島への興味憧れから無人島渡航への同行希望したものとみられるそもそも羽倉崋山接点不明で、もし2人親密間柄であったなら、無人島渡航計画がないことを崋山知らされていただろうとしている。 また、18世紀末以来松浦静山『甲子夜話』本多利明西域物語』などの書物桃源郷のような無人島の話が載っており、佐藤信淵混同秘策』では空想的な無人島開発論書かれており、無人島の噂は流布していたものとみられる一方で異国船打払令発令していた幕府は、日本人西洋人接触厳しく禁じとともに西洋への警戒心緩んだ日本人への警戒強めていた。 天保半ばころ、常陸国無量寿寺住職・順宣とその子息・順道林子平の『三国通覧図説』や漂流者日記などを読んで影響受けたことから、無人島関心持ち現地への渡航という夢を抱くようになった旅籠山口屋の後見人金次郎らもこの計画関心持っており、他に蒔絵師山崎秀三郎、御徒隠居本岐道平陪臣医師阿部友進御普請役の兄・大塚同庵、元旗本家家臣・斉藤次郎兵衛、後に仲間裏切って鳥居スパイとなった下級幕臣花井虎一らもこの計画参加していた。この無人島渡航計画はもちろん幕府許可得たうえで実行することになっていたが、資金をはじめ船や食料調達など具体的なことは何一つ決まっておらず、無人島関心のある人々地図記録類集めて夢や期待語りあっていただけであった

※この「無人島渡航計画」の解説は、「蛮社の獄」の解説の一部です。
「無人島渡航計画」を含む「蛮社の獄」の記事については、「蛮社の獄」の概要を参照ください。

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