渡米以降とは? わかりやすく解説

渡米以降

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/05 06:44 UTC 版)

エーリヒ・ラインスドルフ」の記事における「渡米以降」の解説

1937年11月、ラインスドルフはアメリカ向かいメトロポリタン歌劇場で副指揮者地位得たオーストリアナチス・ドイツ併合されるのは、彼が祖国発ってわずか数か月後のことであった当時新人の上院議であった、後の大統領リンドン・ジョンソン支援受けて、ラインスドルフはアメリカ留まることが可能になり、また1942年にはアメリカ市民得て帰化することができた。 1938年からメトロポリタン歌劇場常任指揮者務めとりわけワーグナー解釈名声博すメトロポリタン時代とりわけ彼の指揮するワーグナー注目集まった1939年アルトゥル・ボダンツキー突然の死迎えると、ラインスドルフはメトロポリタン歌劇場ドイツレパートリー責任者となった1943年には3年契約クリーヴランド管弦楽団音楽監督地位得たが、実際にはほとんど在職期間がなかった。第二次世界大戦のためアメリカ軍徴兵されてしまい、契約更新されなかったからである。1982年から1984年にかけてクリーヴランド管弦楽団音楽監督ロリン・マゼールからクリストフ・フォン・ドホナーニへと移行していた時期に、ラインスドルフは何度か同楽団コンサート指揮したことがある彼の言葉借りればラインスドルフは「政権交代橋渡し」役だった。 1947年から1955年の間、ロチェスター・フィルハーモニー管弦楽団音楽監督務めた。しかしそこで出会ったものはロチェスター市民の偏狭な音楽理解であり、それは彼を絶望させることになる。ラインスドルフの「ロチェスター世界一小奇麗な行止まりだ! (Rochester is the best disguised dead end in the world!)」という言葉広く知られるようになった。短い期間ではあるがニューヨーク・シティ・オペラ音楽監督務めたのち、再びメトロポリタン歌劇団と提携結んでいる。1962年にはボストン交響楽団音楽監督就任したボストンではもっぱらRCAレコード組んでレコーティングすることが多かったが、演奏家管理者揉めこともしょっちゅうであった一度ならず、ラインスドルフの指揮歴史的事件影響受けている。1963年11月22日ボストン交響楽団公演中にラインスドルフは演奏中断してダラスでのジョン・F・ケネディケネディ大統領暗殺というショッキングなニュース聴衆知らせとともにテロリストへの憤り大統領へ哀悼の意述べベートーヴェンの交響曲第3番から葬送行進曲披露した。なお、ケネディ追悼ミサモーツァルト『レクイエム』演奏し、現在もCD化され発売されている。 1967年イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団客演指揮することになっていたが、第三次中東戦争勃発のため急遽帰国している。タキシードを脱ぐのも忘れるほど慌てて帰国であった演奏会自体は、戦争中であったズービン・メータが代振りをして開催されている。 1969年ボストン交響楽団辞め全ての常任指揮者から外れた後は、メトロポリタン歌劇場ニューヨーク・フィルハーモニックなど、数々オーケストラ客演した。 1974年にラインスドルフはメトロポリタン歌劇場で『トリスタンとイゾルデ』を客演指揮することになるが、経営悪化の関係で歌手キャンセルなどが相次ぎ、それに対して当時音楽監督ラファエル・クーベリック首席指揮者ジェームズ・レヴァイン無力だったとして『ニューヨーク・タイムズ』紙に苦言呈している。これがクーベリック音楽監督辞任影響与えたという説もある:138その後もラインスドルフはメトロポリタン歌劇場客演指揮務めるが、彼の要求厳しく、たびたびトラブルとなっている:1941978年から1980年の間はベルリン放送交響楽団(現:ベルリン・ドイツ交響楽団)の首席指揮者務めている。 回想録Cadenza: A Musical Career )は1976年上梓された。1981年にも The Composer's Advocate. A Radical Orthodoxy for Musicians書いている。 1993年、癌のため、スイスチューリッヒにて81歳で亡くなった

※この「渡米以降」の解説は、「エーリヒ・ラインスドルフ」の解説の一部です。
「渡米以降」を含む「エーリヒ・ラインスドルフ」の記事については、「エーリヒ・ラインスドルフ」の概要を参照ください。

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