洋種山牛蒡とは? わかりやすく解説

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ヨウシュヤマゴボウ

別名:洋種山牛蒡、洋種山ごぼう洋種山ゴボウアメリカヤマゴボウ

ナデシコ目ヤマゴボウ科多年草アメリカ原産の種だが日本でもすでに帰化しており、河川敷などでよく見かけるキク科植物ヤマゴボウとは名称は似るものの植物学的な近縁関係はない。

ヨウシュヤマゴボウの実はひと房にブドウのように夥しく生る成熟する果汁多く含んだ黒紫色の実になる衣服などにつくと洗ってもなかなか落ちないこのため染料として用いられることがある

ヨウシュヤマゴボウには毒があり、誤って実を食するなどした場合摂取量によっては死に至る恐れもある。汁に触れただけでも皮膚弱けれ影響を受ける場合がある。一見するとブドウブルーベリーのような果物見えなくもないため、子供誤って食べたりないよう注意を払う必要がある


ようしゅ‐やまごぼう〔ヤウシユやまゴバウ〕【洋種山×蒡】

読み方:ようしゅやまごぼう

ヤマゴボウ科多年草。高さ1〜2メートル太くて紅紫色を帯び上方分枝する長楕円形夏から秋紅色帯びた白い花総状につけ、果穂は垂れる。実はやや丸く赤紫色。実と根は猛毒北アメリカ原産アメリカやまごぼう

洋種山牛蒡の画像
洋種山牛蒡の画像

ようしゅやまごぼう (洋種山牛蒡)

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ジュズサンゴ:  数珠珊瑚
ヤマゴボウ:  洋種山牛蒡

洋種山牛蒡

読み方:ヨウシュヤマゴボウ(youshuyamagobou)

ヤマゴボウ科多年草薬用植物

学名 Phytolacca americana


ヨウシュヤマゴボウ

(洋種山牛蒡 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/16 04:07 UTC 版)

ヨウシュヤマゴボウ
ヨウシュヤマゴボウ
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 Core eudicots
: ナデシコ目 Caryophyllales
: ヤマゴボウ科 Phytolaccaceae
: ヤマゴボウ属 Phytolacca
: ヨウシュヤマゴボウ P. americana
学名
Phytolacca americana L. (1753)[1]
和名
ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)、アメリカヤマゴボウ
英名
Pokeweed
  • P. a. var. americana
  • P. a. var. rigida

ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡、学名: Phytolacca americana)はヤマゴボウ属多年草。別名はアメリカヤマゴボウ[2]

分布

別名の通り北アメリカ原産で、日本では明治時代初期以降に各地で繁殖している帰化植物である[2]。市街地の空き地や造成地、庭などで見られる[2]

形態・生態

多年生の草本[2]。高さは1 - 2メートル (m) 前後に達する[2]は直立して無毛で赤く[2]、根は太く長い。は大きな卵状楕円形で、無毛でやわらかく[2]、秋になると紅葉する。

花期は初夏から秋にかけて(6 - 9月)[2]。白色ないし薄紅色の花からなる花穂を枝先に付け、花後は扁平な果実を付けた果穂となって垂れ下がり、初秋に黒紫色に熟す[2]。熟した果実は柔らかく、潰すと赤紫色の果汁が出る。この果汁は強い染料で、衣服や皮膚に付くとなかなか落ちない。この特性のため、アメリカ合衆国ではポークウィード(Pokeweed)[注 1]インクベリー(Inkberry)などとも呼ばれており、簡易的なインクの代わりに使用される[要出典]

毒性

ヨウシュヤマゴボウは有毒植物で、全体にわたってがあり、果実も有毒である。毒性は、根>葉>果実の順であるが、果実中の種子は毒性が高い[2]

毒成分は、アルカロイドであるフィトラッカトキシン(phytolaccatoxin)、サポニンであるフィトラッカサポニン(phytolaccasaponins)、アグリコンであるフィトラッキゲニン(phytolaccigenin)などである。また、根には硝酸カリウムが多く含まれる。

誤食すると、2時間ほど経過後に強い嘔吐下痢が起こり、摂取量が多い場合は瞳孔を開き、強い興奮状態、精神錯乱から、さらに中枢神経麻痺から痙攣や意識障害が生じ、最悪の場合には呼吸障害や心臓麻痺を引き起こして死に至る[2]。幼児の場合は、種子を破砕した果汁を誤飲すると、果実数粒分でも重篤な症状を引き起こしうるために十分な警戒を要する。

根や種子には、植物タンパク質の一種であるポークウィードマイトジェン(PWM: Pokeweed Mitogen)、ポークウィード抗ウイルスタンパク質(PAP: Pokeweed Anti-viral Protein)などが含まれる。これらの物質も毒性をもつが、同時に有用な薬理作用をもつものと期待され、研究が進められている。

アメリカ合衆国ではかつて着色料として安価なワインなどに用いられたが、毒性を持つために現在は使用されていない。また、かつては主にアラバマ州などの南部地域において、若芽を茹でこぼして毒を抜いた上で食用にするところもあり(ソウルフードを参照)、トニー・ジョー・ホワイトが1968年に発表したヒット曲「ポーク・サラダ・アニー(Polk Salad Annie)」の"Polk" とは、豚肉(Pork)ではなく本種のことを指している[3]

食用の「山ごぼう」との違い

味噌漬けなどに加工して売られている山菜の「山ごぼう」は、本種または近縁の在来種ヤマゴボウとは全く異なる、キク科に属するアザミの一種であるモリアザミか野菜のゴボウの根であり、類縁関係は遠い。

取り上げた作品

脚注

注釈

  1. ^ Poke は、かつて赤色染料の原料として用いられていた多年草のパクーン(Puccoon)に由来する。また weed は雑草のことである。

出典

参考文献

  • 金田初代、金田洋一郎(写真)『ひと目でわかる! おいしい「山菜・野草」の見分け方・食べ方』PHP研究所、2010年9月24日、188頁。ISBN 978-4-569-79145-6 
  • 佐竹義輔ほか編『日本の野生植物 草本2 離弁花類』平凡社、1982年。ISBN 4-582-53502-X 
  • 『牧野日本植物大図鑑』「北隆館」

関連項目

外部リンク


洋種山牛蒡

出典:『Wiktionary』 (2021/08/16 04:16 UTC 版)

名詞

ヨウシュヤマゴボウ洋種山牛蒡

  1. 植物》 (Phytolacca americana) ヤマゴボウヤマゴボウ多年草の名。全有毒で、生長すると濃い色の果実をつける。


類義語

翻訳


「洋種山牛蒡」の例文・使い方・用例・文例

  • 洋種山牛蒡という植物
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