法制定の背景とは? わかりやすく解説

法制定の背景

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 15:30 UTC 版)

化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」の記事における「法制定の背景」の解説

昭和43年1968年)に起こったカネミ油症事件ポリ塩化ビフェニルPCB)による健康被害契機に、昭和48年1973年)に制定された。カネミ油症事件が起こるまで、人への健康被害防止は、直接化学物質接触して被害を及ぼすような毒劇物製造使用等の規制排出ガス排出等の規制によっておこなわれてきた。ところが、この事件は、従来規制対象になっていなかった安定分解しにくい物質が、長期間わたって人体残留してじわじわ健康に被害及ぼしたことで、これまでの化学物質安全性に関する考え方根本的に覆すのだったこのため化学工業発展伴って新し化学物質次々製造されるにあたりPCBのような分解性・高濃縮性の化学物質に対して、その安全性確認し、人の健康を損なうおそれのある化学物質製造輸入規制求められるようになった。そこで、厚生省(現:厚生労働省)・通商産業省(現:経済産業省)によって、昭和48年化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律策定された。化審法特徴新規化学物質事前審査制度世界先駆けて導入したことであり、届出された新規化学物質のうち、難分解性、高濃縮性、長期毒性のあるものを特定化学物質(現:第一種特定化学物質)に指定し製造輸入規制事実上製造輸入禁止)を行った化審法PCB規制するための法律として産声上げたのであるその後昭和61年1986年)に従来特定化学物質第一種特定化学物質改編するとともにトリクロロエチレンテトラクロロエチレンによる地下水汚染問題契機に、高濃縮性ではないが難分解性長期毒性のある化学物質第二種特定化学物質新たに指定し規制をおこなうことになったまた、濃縮性ではないが難分解性長期毒性のおそれの疑いのある化学物質指定化学物質(現:第二種監視化学物質)に指定し必要な措置講じられることになった平成11年1999年)には、中央省庁再編おこなわれ厚生省厚生労働省へ、通産省経済産業省再編されとともに業務見直しおこなわれ環境省共同業務をおこなうこととなった。 しかし、ここまで化審法は、環境経由した人の健康被害防止のみを目的としており、一般環境中動植物への影響考えていなかった。また、OECDからも、日本化学物質管理政策に対して生態系保全」の考え方導入するように勧告なされた。そこで、平成15年2003年)に法律改正し動植物への影響着目した制度の導入第三種監視化学物質指定措置)や環境中放出可能性着目した制度中間物等の申出確認)の見直しなどが行われ、現在に至っている。 国際的な規制強化潮流にあわせ、2009年法改正で、2011年4月1日から企業に対してすべての化学物質製造輸入量、用途を年1回報告することが義務づけられた。EUREACH制度日本版といえる規制である。

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法制定の背景

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/24 15:42 UTC 版)

がん登録等の推進に関する法律」の記事における「法制定の背景」の解説

この法律制定されるまで、国内がん登録は、がん診療連携拠点病院はじめとする病院内行われる院内がん登録」と、健康増進法に基づく努力義務により全ての都道府県行われる地域がん登録」があった。都道府県はその区域内の病院・診療所から報告を受け、国(国立がん研究センター)は各都道府県情報とりまとめて各種統計などを作成していた。 しかし、地域がん登録では、都道府県ごとに収集する情報種類異なること、都道府県越えて転居をすると情報重複する場合があることなどの課題があった。また、がんが日本人死因の1位となっていることから、これまでのがん登録課題解消するとともに、より高い精度でがんの状況把握するため、この法律制定された。

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