法制定の経緯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 09:18 UTC 版)
「生活困窮者自立支援法」の記事における「法制定の経緯」の解説
戦後の日本では、日本国憲法第25条の「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という理念に基き、1950年に全面改正された生活保護法による生活保護制度が、国民の「最後のセーフティーネット」としての役割を果たしてきた。 1990年代のバブル経済の崩壊以降は長期的な不況が続き、経済のグローバル化にともなう非正規雇用が増加した。さらに2008年(平成20年)のリーマン・ショックによる世界金融危機に伴う非正規労働者の派遣切りや雇い止め、2011年(平成23年)に発生した東日本大震災の影響などで経済的に困窮する人々が増加し、1990年代から2010年代の長期的な経済低迷は「失われた20年」と呼ばれるに至った。そのため、減少を続けてきた生活保護受給者数が1995年頃から増加に転じた。 また、少子高齢化や晩婚化・非婚化による単身世帯の増加、一人親家庭の増加と世代間における貧困の連鎖、地縁・血縁による繋がりの希薄化(無縁社会)による社会的孤立などの問題がクローズアップされるようになった。 そうした背景をもとに、日本政府は2012年に厚生労働省社会保障審議会に「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会」を設置し、翌2013年1月25日に特別部会報告書 が提出された。 生活困窮者が「最後のセーフティネット」である生活保護受給に至る前に、予防的に「第2のセーフティネット」として支援制度が設置されることとなり、2013年(平成25年)12月13日、生活保護法の改正とあわせて「生活困窮者自立支援法」が制定され、2015年(平成27年)4月1日 に施行された。
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