江戸時代の阿仁銅山と平賀源内とは? わかりやすく解説

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江戸時代の阿仁銅山と平賀源内

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 18:07 UTC 版)

阿仁鉱山」の記事における「江戸時代の阿仁銅山と平賀源内」の解説

阿仁鉱山は、佐竹氏開発によって当初金銀産出し17世紀には銅山移行して幕末に至るまで採鉱がつづけられた。秋田藩の産幕府御用銅の4割弱、多いときには5割をこえたが、長崎輸出主要部分占め、また銭貨鋳造原料として重要なものであった阿仁には米代川舟運利用された。多数鉱山労働者によって鉱山町形成され、採坑普請用の土木資材燃料としての薪炭不可欠な存在であり、阿仁近辺では一時森林乱伐弊害もたらされている。1740年元文5年)、秋田藩阿仁銅山掛山(かかりやま)を設置し銅山奉行支配とした。 阿仁銅山では、鉱山採掘から「荒」の精錬までをおこなった阿仁銅山のうち、二ノ又・板木沢ついで萱草に含銀量が多く、前二者大坂での相場高かったまた、平・三は含銀量こそは少ないものの高品質であったといわれている。 1716年享保元年)には産日本一となっている。しかし、その後秋田藩銅山経営はふるわなくなり1764年宝暦14年)、秋田藩突如江戸幕府より阿仁銅山麓村落の1万の上知(知行召し上げ)を通達された。これは、長崎輸出大部分占めた銅山産額激減したため、幕府佐竹氏代替地与え代わりに銅山直轄化によって増産企図したのであった。これに対して秋田藩損失大きさ驚愕し、ときの老中であった田沼意次はたらきかけ交渉によってようやく上知撤回成功した1773年安永2年)、秋田藩幕府より1万両を借り入れ幕府直営鉱山開発実績のあった平賀源内招聘し、銅山経営立て直し図った同年平賀源内鉱山士の吉田兵衛とともに阿仁鉱山訪れた石見銀山水抜き工事行っていた吉田は、阿仁銅の精錬法を聞きこのままではなかにわずかに金が残されていることを指摘し秋田大坂珍重されるのはこのためであるとした。 平賀源内吉田阿仁1か月(3か月説もある)滞在し、「山下流の銀絞り法」を伝授したが、それほど効果はなかったという。「平賀源内秋田資料」には吉田は誠実であるため評判がよく、平賀源内天才肌常人近づきたかったので評判すこぶる悪かったではないかとしている。平賀源内阿仁で「水無焼」という陶器づくりを指導した。現在2枚の皿が現存している。 上述のとおり、阿仁概して含銀量も多く高品質として知られていたが、銅山における荒精錬までの段階では、銅鉱ふくまれる銀を分離させるということはしなかった。荒を鉛を焚き合わせ(これを「合吹」と称す)、融点比重相違からと銀・鉛の合金分離して(これを「南蛮絞」という)、さらに、銀・鉛の合金を灰のうえで溶解させたうえで鉛だけを灰にしみ込ませて銀のみを抽出する(これを「灰吹」という)という一連の精錬技術は、大坂銅吹屋がほぼ独占する状態にあった。 しかし、秋田藩では平賀源内鉱山技術指導ののち、大阪から久保田藩縁がある大阪技術者呼び安永3年1774年)には米代川支流阿仁川藤琴川合流点である山本郡二ツ井の地に加護山製錬所の銀吹分所、鉛吹所を開鉱製錬それ以前からあった)。それによって、自領内で荒から銀の精錬までが可能となったのである

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